新型コロナウイルスの影響に関わる緊急企業支援措置を発表

(フランス)

パリ発

2020年03月19日

ブリュノ・ルメール経済・財務相は3月17日、新型コロナウイルスの影響に伴う緊急経済支援の具体的な内容PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)について発表した。

ルメール大臣はまず、企業向け支援の総額が450億ユーロに達するとの見方を示した。一時帰休制度は、企業が休職する従業員に支払う手当てを法定最低賃金の4.5倍を上限に国が100%補填する形で拡充予定で、は2カ月間で85億ユーロに上るとした。税・社会保険料の支払い延期は3月だけで320億ユーロの財政負担となる見通し。後者については企業の経営状態によっては延期も視野に入れるとした。

また企業倒産を避けるために設立する連帯基金に2カ月間で約20億ユーロを拠出する。同基金から企業に1,500ユーロの支援金を即時支給する。対象となる企業は、政府の新型コロナウイルス対策で休業を余儀なくされたレストラン、食品を扱わない小売、観光関連業を対象に、年間売上高が100万ユーロに満たない零細企業で2020年3月の売上高が前年同月比で70%以上減少した企業に限られる。支援金の支出は1カ月あたり10億ユーロと予測した。

さらに法人向けの新規の銀行融資に総額3,000億ユーロの公的保証を付与することで、(新型コロナウイルスの影響で当座の)資金繰りに困った企業に銀行からの資金を流れやすくすると説明した。また同大臣は16日にユーロ導入国がユーロ圏全体で1兆ユーロの公的保証の付与で合意したことに言及し、経済支援に向け必要なすべての措置を実行する意思の証だとした。

同大臣はまた、新型コロナウイルスの影響で2020年のフランスのGDP成長率は実質でマイナス1%になるとの暫定的な見通しを示した。

(山崎あき)

(フランス)

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