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キルギスIT人材、日本の顧客優先マインドにも柔軟に対応

(キルギス)

欧州ロシアCIS課

2020年03月18日

中央アジアのキルギスは、安価で優秀なIT人材の供給先として注目を集めつつある。首都ビシュケクに設置されたハイテクパーク(HTP)には、多数のIT系企業が入居し、日本を含む諸外国とのビジネス実績を着実に積み重ねている。HTPのアルティンベク・イスマイロフ理事長に話を聞いた(1月27日)。

(問)HTPの概要を教えてほしい。

(答)2011年に法令により設置された政府系エージェンシーだ。2013年から実質的な活動を開始した。設置期間は2026年までだが、2050年までの延長を目指している。

2019年末時の入居企業数は81社、専門家は761人、入居企業による利益は1,380万ドルに達した(2014年は110万ドル)。入居企業の事業内容はBPO(業務プロセスアウトソーシング)が9割、アプリなどの自社開発は1割だが、後者の比率は増加傾向にある。

(問)キルギスITの強みは何か。

(答)a.安価で安定した電力(0.03ドル/キロワット時)、b.良好なネットアクセス、c.毎年500人のIT人材が輩出、d.安価な労働力(就職時は300ドル/月)、e.日本を含むビザなし渡航可能な国の数が60カ国、f.会社設立に要する日数は2~3日など。

(問)HTPに入居する企業の実績は。

(答)事業収益別にみると、ソフトウエア開発が最大で60.5%、ソフトのインストールやテストなどテクニカルサポートが9.1%、YouTubeなどの作成支援などインタラクティブセンターによるものが9.3%、コンピュータアニメーションが16.6%、その他4.4%となっている。入居企業が得意とする分野は、フィンテック、バイオメディカル、ロジスティクス、オンラインツーリズム、電子商取引(EC)、コンピュータアニメ、コンピュータゲーム、人工知能(AI)、マシーンラーニング、マシーンビジョンだ。

輸出先の内訳は、米国が30%、アイルランドが20%、カザフスタンが15%で、日本は4~5%で6位、そのほかロシア、カタール、クウェートなど。いずれも増えている。

(問)HTPに入居する際の条件は何か。

(答)入居に当たっては、スーパーバイザリーボード(SB)の審査がある。SBには3人の国会議員、3人のITビジネス協会、3人の首相任命として情報技術通信国家委員会(ヘッドを務める)、経済省、首相府から構成される。

入居企業は、利益の1%を拠出する。入居企業には3つの特典がある。3カ月まで賃料が無料のほか、VAT(付加価値税、通常12%)、企業利潤税(10%)、売上税(10%)が控除される(現行法令の2026年までの設置期間)。労働者の所得税は、10%→5%、社会保険料は約25~27%→12%に軽減される。

(問)今後の展望を聞かせてほしい。

(答)2024年までの目標として、HTPで就労するIT系専門家数1万人、収益2億ドル、GDPに占めるシェア1%、200のスタートアップと1つのユニコーン創出を掲げている。

従来のIT製品の輸出に加え、日本との関係を強化していきたい。現在、HTPにコールセンターとソフト開発の2社の日系企業が入居している。キルギスIT人材は語学に堪能で、賃金も比較的安く、日本的な顧客優先の経営方針にも柔軟に対応できるメンタリティーを持っている。

HTPは、ロシアをはじめとするロシア語圏市場のゲートウエーでもある。さまざまな入居企業がロシア語圏市場のノウハウを持っている。ぜひHTPを通じて、キルギスITの潜在力を日本の関係者に知ってほしい。

写真 (左から)アジズ・アバキロフ・キルギスソフトウェアサービス開発協会会長、アルティンベク・イスマイロフHTP理事長、チュバク・テミロフHTP営業リクルート担当職員(ジェトロ撮影)

(左から)アジズ・アバキロフ・キルギスソフトウェアサービス開発協会会長、アルティンベク・イスマイロフHTP理事長、チュバク・テミロフHTP営業リクルート担当職員(ジェトロ撮影)

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