移動制限令延長の可能性も、外出に対する取り締まり厳格化

(マレーシア)

クアラルンプール発

2020年03月25日

ムヒディン・ヤシン首相は3月23日、3月18日から実施している移動制限令について、「新型コロナウイルスの感染状況によっては、3月末に国家安全保障委員会で協議のうえ、1~2週間延長する可能性もある」と述べた。移動制限令の順守率は約9割とし、外出は控え、在宅するよう改めて強く呼びかけた。会見では、経済行動委員会(EAC)にて決定した、追加の景気刺激策の一部も発表された。

生活費補助や医療機器の購入などの施策を追加

マレーシア政府は3月16日にもEAC会合を開いており、2月27日に発表された景気刺激策(2020年3月3日記事参照)の追加措置として、3月1日以降無給休暇を言い渡された従業員への給与補助、産業用や家庭用電気代の割引、低所得家庭への一時金などを発表していた。これに加え、従業員積立基金(EPF)からの一定額までの引き出しの許可、人工呼吸器や集中治療室(ICU)用医療機器などの購入、医療従事者の追加雇用への予算措置などが発表された。これらを含む包括的な追加の施策については、3月30日に発表するという。

取り締まりも厳格化、感染者は拡大の一途

3月22日から、警察および軍隊による移動制限令順守の呼びかけ、見回り、取り締まりも厳格化されている。また、操業許可を得ている企業における従業員の通勤に関しても、必要な書類として政府発行の承認レターおよび企業が作成する移動許可書を携帯していない場合は、交通規制で取り締まられる可能性がある。

3月23日時点で、マレーシアにおける感染者数は1,518人に上った。3月15日以降、9日間連続で100人以上の新たな感染者が確認されている。

(田中麻理)

(マレーシア)

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