ヨルダンで国境一時封鎖、貨物は除外

(ヨルダン、エジプト)

カイロ発

2020年03月18日

ヨルダン政府は3月14日、新型コロナウイルス感染拡大の予防措置のため、17日より空路・陸路・海路を一時封鎖すると発表した。貨物輸送は除外される予定だ。今後、一時封鎖は延長、撤廃、新たな措置の実施など定期的に見直される予定だ(日本外務省ホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。既に水際対策として、過去14日以内に中国、韓国、イラン、イタリアへ渡航した非ヨルダン人の入国制限などを実施していた(2020年3月12日記事参照)が、空港および陸路・海路国境を通じてヨルダンに到着する全ての者を、14日間の隔離措置のため政府が指定する隔離施設に移送すると16日に発表しており、状況は日々流動的なため、ヨルダンへの渡航やビジネスにおいて最新情報に留意が必要だ。ヨルダンでは3月2日に初めて1人の感染が判明した後、15日に12人、16日に4人の感染者が判明し、合計17人の感染者が出ている(現地3月16日午前時点)。航空便が停止する前に駆け込みで、海外から多くのヨルダン人の帰国が見込まれ、空港の混乱や帰国者による感染拡大の懸念もある。

国境封鎖以外にも、集会の中止、娯楽施設、観光サイトの一時閉鎖、国民へ不要な外出を避ける要請が発表された。教育機関では3月15日から2週間の休校が実施され、教育省は、Eラーニングやテレビでの遠隔教育の実施を計画している。省庁、公的機関の業務は実施し、民間においては公的機関や商工会議所などとの連携のもと労働者の安全確保を行いつつ事業を継続するよう通達があった。外交筋によると、ヨルダン閣僚の訪日予定もこのような状況のため中止になったという。

今回の措置は観光関連やホテルなどに大きな影響を与える懸念があるが、報道によると、政府は6カ月間の生活必需品輸送を確保しており、商業貨物の輸入は継続されるため食料や物資への影響は少ないとの見込みだ。加えて、ハラ・ザワティエネルギー・鉱物資源相は60日間のエネルギーを確保済で今後も確保できると述べている。ザイード・ファリズ中央銀行総裁は商業銀行に対し、ローン支払い延期などの損失の緩和策を実施するように求めた。

(井澤壌士)

(ヨルダン、エジプト)

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