米商務省、ファーウェイ向け輸出の限定許可延長、今後の延長に関するパブコメも募集

(米国、中国)

ニューヨーク発

2020年03月13日

米国商務省産業安全保障局(BIS)は3月12日、中国の華為技術(ファーウェイ)と関連114社に対する米国製品(物品、ソフトウエア、技術)の輸出禁止措置の限定的な猶予を5月15日まで延長すると官報で公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。現行の猶予期限は4月1日までとしていた。2019年5月20日にこの措置を導入して以降(2019年5月21日記事参照)、今回で4度目の延長となるが、5月以降も延長すべきかについては、パブリックコメントを募集すると官報で公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ファーウェイと関連114社は現在、商務省が管理するエンティティー・リスト(EL)に掲載されており、これら企業への米国製品の輸出・再輸出は原則不許可となっている。ただし、BISはEL掲載時点で既にファーウェイと関連企業との間で締結されていた契約に基づいて運用されネットワークと機器の維持・サポートのための取引など、BISが指定する4つの形態に該当する取引に関しては、一定期間の取引を可能とする暫定包括許可(TGL:Temporary General License)を与えている。

ただしBISは、TGLはあくまで米国の通信網がファーウェイの製品・技術を利用しない状態に移行するための猶予を与えるものだとしており、そのためには5月15日以降もTGLの延長が必要か、ほかの手段で代替できないかといった点につき、パブリックコメントを求めるとした。なお、コメント受付期間は3月25日までと短い。コメントの提出は連邦政府のポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて受け付けるとしており、機密情報を含む場合はその旨を明示し、併せて、機密情報を含まないコメントも提出するよう求めている。

BISがコメントを求めるポイントは次のとおり。

  1. TGLが延長されなかった場合の企業や機関への影響
  2. ファーウェイ製品・技術を要しない通信網構築のために必要なもの、期間、コスト、他製品・技術への代替可能性
  3. TGLを延長する場合に、TGLが対象および対象外としている取引の有効性を向上させるためにBISが検討すべき変更点
  4. ファーウェイと関連企業をELに追加した目的を達成しつつ、執行の複雑さを軽減し得るTGL延長・失効以外の代替案
  5. TGLの延長もしくは失効に伴うコスト

(磯部真一)

(米国、中国)

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