米オーランドで健康・医療関連大型イベントが中止、新型コロナウイルスの影響

(米国)

アトランタ発

2020年03月10日

米国フロリダ州オーランドで3月9~13日に予定していたヘルステック大型展示会「2020 HIMSS Global Health Conference & Exhibition(HIMSS 2020)」が新型コロナウイルスの感染拡大リスクを踏まえて中止外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとなった。

この展示会は、約100カ国から4万5,000人の来場が見込まれる大型イベント。シーメンスやゼネラル・エレクトリック(GE)といったヘルスケア業界の大手に加え、ウーバーやセールスフォースなどのテック企業も多くの参加実績がある。北米を中心に世界中から医療業界のベンダーやコンサルタント、アカデミック分野の研究機関や政府関係機関、スタートアップ、VCなどの参加が予定されていた。ジェトロもブースを構え、グローバル展開を目指すJ-Startup企業(注)のネットワーク拡大を支援する予定だった。

HIMSS主催者は、世界保健機関(WHO)と米国疾病予防管理センター(CDC)の最新の報告を踏まえ、医療専門家の外部諮問委員とも相談した上で、この時期に多くの人々を集めるのはリスクが高過ぎると判断した。感染が日々広がる状況下、諮問委員は感染拡大リスクを正確に評価することは不可能としている。

トランプ大統領が現役大統領として初めてHIMSS 2020に登壇することが予定されていた一方で、アマゾン・ウエッブサービスやインテル、シスコなど大手の参加見送りが報じられていた。

オーランドでのイベントが複数見送りに

フロリダ州では3月2日に新型コロナウイルス感染者が確認されて以降、5日までに4人の感染が確認されている。ロン・デ・サンティス州知事は公衆衛生緊急事態を宣言し、州保健長官に対応を指示している。

オーランドは全米トップの会議開催地としても知られ、多くの会議場やホテルが集まる全米有数のコンベンション・シティーの1つ(2019年7月30日記事参照)。今回中止となったHIMSS以外にも、複数のイベント実施が見送られた。3月16~19日に開催予定の「F5 Agility外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」はオンラインによるバーチャル形式で実施する方向だ。3月17~19日の「IBM IoT Exchange外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」も別の方法を検討している。

(注)日本のスタートアップ企業のうち、トップベンチャーキャピタリスト、アクセラレーター、大企業のイノベーション担当などからの推薦を受け、外部審査委員会の審査により、経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム「J-Startup」の対象として選定された企業。

(高橋卓也)

(米国)

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