ウズベキスタン、ユーラシア経済連合オブザーバー参加への議会審議始まる

(ウズベキスタン、ロシア、CIS)

タシケント発

2020年03月17日

ウズベキスタン閣僚会議(内閣に相当)は3月6日、ウズベキスタンとユーラシア経済連合(EEU)との協力に関する閣議を開催し、ウズベキスタンがEEUの枠組みにオブザーバーとして参加する方針を承認し、16の経済分野での国内への影響を検討した分析結果とともに、議会へ送付した。

ウズベキスタンのEEUへの加盟問題は、2019年10月、ロシア上院のワレンチナ・マトビエンコ議長がウズベキスタンを訪問した際に、「ウズベキスタンはEEU加盟を検討中」と発言して以来、ウズベキスタンのメディアをにぎわせている。ウズベキスタンの重要な外交方針について、ロシア側から唐突に情報がもたらされたからだ。ウズベキスタンのEEU加盟について、推進派は、主として農産品を中心とする輸出拡大の可能性や現在200万人を超えるウズベキスタンからロシアへの出稼ぎ労働者が支払う労働許可証の取得費用が不要となり、大きな経済的利益を得ると主張。一方、慎重派は、ロシア企業は安価な天然ガス供給や巨大な国内の消費市場をてこにEEU域内で既に競争優位性を築いており、ベラルーシやカザフスタン企業などほかのEEU加盟国企業はロシア企業と公正な競争環境を実現できない、ウズベキスタンも最終的にロシア製品に国内市場を席巻され、自動車など国内産業は壊滅的な打撃を受けると主張している。

シャフカト・ミルジヨエフ大統領は2020年1月下旬の議会での教書演説で、ウズベキスタンがEEUのオブザーバー資格を得る可能性に言及。その一方で、「ウズベキスタンが独立(自決権)を明け渡すことはない」と述べ、慎重派や国内世論に配慮した発言を行った。国内の有識者には、EEUとの協力はオブザーバーどまりとの見方もある。また、米国のウィルバー・ロス商務長官、マイク・ポンペオ国務長官は「ウズベキスタンがEEU加盟国になった場合には、WTOへの加盟が難しくなる」と発言するなど、ロシアが主導するEEUへのウズベキスタンの正式加盟への動きを牽制するコメントを出している。

2018年5月のEEUサミットでは、(同じCISの)モルドバにオブザーバー資格が認められている(2018年5月16日記事参照)。オブザーバーに発言権はないが、EEUの関連会合やイベントに政府関係者の出席が可能となる。

次回EEUサミットは、2020年5月にベラルーシの首都ミンスクで開催の予定。議会審議の速度次第では、同サミットでウズベキスタンのEEUオブザーバー参加が話題となる可能性がある。

(高橋淳)

(ウズベキスタン、ロシア、CIS)

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