エヌアセットがビンズオン省に支店開設へ、日系不動産仲介として初

(ベトナム)

ホーチミン発

2020年03月09日

東京、神奈川を中心とした不動産の仲介・管理を行うエヌアセット(神奈川県川崎市)は4月、ホーチミン市にある現地法人エヌアセットベトナムの支店をビンズオン省に開設する予定だ。日系不動産仲介業が同省に拠点を構えるのは初となる。主に日本人を含む外国人とベトナム人の不動産売買、賃貸仲介、管理から業務を開始し、将来的にはオフィスや工場、事業用地などの法人取引にも注力していく予定だ。

ビンズオン省はホーチミン市の北部に隣接し、外国直接投資認可件数はベトナム南部地域ではホーチミン市に次いで多い。同省では新都市開発が進んでおり、2014年には省の庁舎も新都市に移転した。外資企業の進出は、従来、製造業が中心だったが、近年は非製造業の進出も増え、2014年にイオンモールが出店するなど、生活インフラの整備が進んでいる。

表 南部地域の外国直接投資累計件数トップ5(2020年1月20日時点、認可ベース)

エヌアセットベトナムの西村武将氏は同省への進出理由について、「ビンズオン省は以前から日系企業の進出が多い地域だが、駐在員の多くはホーチミン市内から1時間から1時間半かけて通勤している。しかし、この数年は新都市開発やショッピングモールの出店、日系企業が運営・管理するマンションをはじめとする住宅プロジェクトが進み、同省に居住する日本人や外国人が増えている。これまではホーチミン市の本社が同省を管轄していたが、現地に拠点を構えることで不動産情報と提供するサービスの質を高めたい」と話している。他方、支店開設時に際しては、「不動産業界、特にセールスやアフターサービスの経験がある人材はホーチミン市に集まっており、十分な業界経験のあるベトナム人スタッフの採用に苦労している」と述べた。

今後の展開について、西村氏は「2021年末ごろに北部のハイフォン市への出店を予定している。同市では日系デベロッパーが住宅プロジェクトを進めており、居住者の増加により不動産仲介・管理の需要が今後高まってくると考えている」という。

写真 新都市にある日系が運営する不動産やコンビニエンスストア(エヌアセットベトナム提供)

新都市にある日系が運営する不動産やコンビニエンスストア(エヌアセットベトナム提供)

写真 新都市の様子(ジェトロ撮影)

新都市の様子(ジェトロ撮影)

(眞嶋翔大)

(ベトナム)

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