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ポルトガル税関担当者、日EU・EPAの中長期的な効果に期待を表明

(ポルトガル)

マドリード発

2020年03月31日

日EU経済連携協定(EPA)は、2月1日で発効から2年目を迎えた。ジェトロは2月下旬に、同協定の活用状況や見方について、ポルトガル税関担当者らに聞いた。概要は次のとおり。

進出日系企業もEPA利用による節税効果を評価

ポルトガルの日本からの輸入について、EU統計局(ユーロスタット)統計でみると、特に特恵関税の利用額が大きいのは、乗用車・同部品(タイヤやギアボックス部品など)、金属加工用マシニングセンタ、再生用廃油、繊維中間財、冷蔵・空調機器用コンプレッサー部品、そしてソースなどの混合調味料やしょうゆなどで、工業製品から食品まで利用が広がっている。

ジェトロが2月下旬に行ったヒアリングによると、EPAを活用するポルトガル進出日系製造業はその効果を実感している。「(本社側での)原産地自己証明の準備は容易ではないが、高付加価値品から準備を始めて、少しずつ利用していきたい。EPA活用に伴い、日本での工程を増やす動きもある」「現地法人の財務改善に寄与する一方、競争が激しい業界のため客先への報奨金支払いの原資になっている」などの声が聞かれた。

ジェトロが2月27日に行ったポルトガル税関担当者へのヒアリングによると、2019年1~11月のポルトガル税関の統計では、日本からの全輸入額3億1,462万ユーロのうち、9,878万ユーロが特恵関税の適用を受けた(表参照)。輸入件数では4,028件とまだ少ないが、同担当者は「EPAの存在自体を知らない事業者や、原産地の自己証明手続きの体制が整備されていない事業者が多いため。ただし、日系の大企業が積極的に活用しているので、金額面では大きい」と説明する。

表 ポルトガルの日本からの輸入における日EU・EPA特恵関税適用の状況(2019年1~11月)

日EU・EPAでは、「輸出者による原産地の自己申告」または「輸入者の知識」による特恵関税の要求が可能だが、ポルトガル税関においては特恵輸入の9割以上が日本側(輸出者)での原産地自己証明による申請だ。「輸入者の知識に基づく特恵輸入は、自動車部品など大企業のグループ内取引で一部みられる程度」(同担当者)だという。

税関による輸入品の原産性の確認(検認)については、欧州委員会からの事前通報で疑義がある場合は輸入時に実施することもあるが、基本的には事後のランダム(任意)調査が多い。「韓国やカナダとのFTA(自由貿易協定)と同様、日EU・EPAについても、これまでほとんど検認はない」(同担当者)。

同担当者は「税関は公正な事業者による輸出入が円滑化されるよう、今後も相談対応やセミナーを通じて企業を支援していく。新型コロナウイルスによる影響の規模は未知数だが、中長期的にはEPAは両国企業のビジネス関係に一層弾みをつけるはずだ」と期待を寄せた。

(小野恵美、伊藤裕規子)

(ポルトガル)

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