2月の米小売売上高、5カ月ぶりに減少

(米国)

ニューヨーク発

2020年03月24日

米国商務省の速報(3月17日付)によると、2月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.5%減の5,281億ドルと、2019年9月(0.4%減)以来5カ月ぶりの減少となった。減少幅は、2018年12月(2.0%減)以来1年2カ月ぶりの大きさとなった(表参照)。なお、1月の売上高は0.3%増(速報値)から0.6%増に上方修正された。

表 業種別小売売上高(季節調整済み)

大手調査会社オックスフォード・エコノミクス・ニューヨーク支社の米国担当シニアエコノミスト、リディア・ブソル氏は「新型コロナウイルス(の感染拡大)による(経済の)混乱は、経済成長を支える主な原動力を停止させる」とし、特に「消費者が自宅で過ごす状態が続き、パニックが広まると(今後、義務的支出以外の)裁量的支出や(人が集うような)社会的消費が大きな打撃を受けることになるだろう」と指摘した(ロイター3月17日)。

ガソリンスタンドが最大の押し下げ要因に

業種別にみると、ガソリンスタンドが前月比2.8%減の427億ドルと、全体を最も押し下げた。次いで、自動車・同部品が0.9%減の1,060億ドル、建材・園芸用品が1.3%減の328億ドルとなった。

増加した業種をみると、無店舗小売りが前月比0.7%増の666億ドルと、全体を最も押し上げた。次いで、その他が1.4%増の122億ドルだった。

民間調査会社コンファレンスボードが2月25日に発表した2月の消費者信頼感指数は130.7と、1月(130.4)より0.3ポイント上昇した。内訳をみると、現況指数は165.1(1月:173.9)と8.8ポイント減少し、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は107.8(1月:101.4)と6.4ポイント上昇した。

コンファレンスボードの経済指標シニアディレクターのリン・フランコ氏は「現況指数は(前月から)減少したものの、依然として(水準は高く)消費者は現在の状況を非常に良い状態とみている」と述べた。一方で、先行きについて期待指数は上昇したものの、3月上旬のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は95.9と、2月(101.0)から5.1ポイント減少しており、今後は同指数も悪化していく可能性が高い(2020年3月18日記事参照)。

(樫葉さくら)

(米国)

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