浙江省政府が日系企業の操業再開支援に向けたウェブ説明会を開催

(中国)

上海発

2020年03月18日

中国国際貿易促進委員会(CCPIT)浙江省委員会、浙江省静岡・福井事務局は3月10日、浙江省内の日系企業向けに新型コロナウイルスの感染症拡大防止策と企業の操業再開支援強化にかかるウェブ会議を開催した。浙江省の日系企業110社が会議に参加した。ウェブ会議では、浙江省衛生健康委員会、省発展改革委員会、経済・信息化庁、商務庁、税務局、金融監督管理局が支援策を説明した後、10数社の日系企業が操業再開に向けた課題や政府に対する要望を浙江省政府に伝え、意見交換が行われた。

浙江省は2月10日に「新型コロナウイルスに対する迎撃戦―企業発展と経済安定の30条意見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、意見)を発表している。ウェブ会議では、企業の運営コスト、税金、賃料、貸付金利、社会保険料の減免などの意見の優遇策が紹介された。具体的には、2月1日から4月30日まで、水道、電気、ガスの料金を10%引き下げる(第7条)。貨物車や一部の乗用車の通行料を15%、浙江省内のコンテナトラックの通行料を35%引き下げる(第8条)。国有企業の物件を賃貸する企業に2~3月の家賃を免除する(第9条)。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける企業に対し、企業の貸付利息や金融サービス手数料を減免する(第11条)。リストラを実施しない企業には前年度の失業保険料の50%を返還するほか、感染拡大の影響を受ける企業に対し、1~3カ月分の社会保険料を返還する(第15条)などがある。

また、浙江省商務庁は3月2日に「新型コロナウイルス感染予防期間中の対外貿易や外資企業を安定的に発展させ、消費を促進するための18条外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で外資企業の操業再開に向けた支援策を発表した。具体的には、3月上旬までの操業再開率90%以上を目指す(第2条)。対外貿易企業向けに、金融特定項目サービスを提供し、融資支援を実施する(第4条)などが含まれる。

中国国際貿易促進委員会浙江省委員会の許勇副会長はウェブ会議で「統計によれば3月8日までの省内企業の操業再開率は86%に達したが、従業員の復職と物流面においてはまだ改善すべき点が多い」と発言した。日系企業からは、隔離措置の影響で従業員の復職、新規募集難を抱える企業が多いこと、物流配送スピードの低下により、空輸貨物が増加したことで物流コストが急増し企業負担が増加したこと、物流事業者が運転手不足や資金回収難の問題に直面していることなどの課題を挙げた。

これに対し、省人力資源社会保障庁、省交通庁、省税務局の責任者は、市・区政府が計画的に湖南省、安徽省から直行バスや電車等の定期便で労働者を連れ戻すなど雇用面の支援を行っていくほか、企業のコスト増に対し、物流費や税金面の優遇政策を今後徹底していく方針があると述べた。

(王艶)

(中国)

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