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新型コロナウイルスと火山噴火の影響で2020年徴税目標未達の恐れ

(フィリピン)

マニラ発

2020年03月06日

フィリピン内国歳入庁(BIR)は2月14日、中国・武漢市を発生源とする新型コロナウイルスの世界的な感染拡大や、マニラ近郊のタール火山が1月12日に火山活動を活発化させた影響により、2020年の徴税額が目標に達しない恐れが生じていると発表した。2月17日付の「インクワイアー」ほか地元各紙が報じた。

BIRの地方事務所が、新型コロナウイルスやタール火山噴火の地方経済への影響を調査したところ、特に観光業を中心に業績が悪化しており、新型コロナウイルスの感染拡大によってホテルの空室率の大幅な上昇につながっているという。フィリピンへの観光客数が国・地域別で第2位の中国だけではなく、世界各国が海外渡航の自粛を自国民に求め始めており、フィリピンにおいても海外からの観光客の減少傾向がみられる。また、フィリピン保健省(DOH)も、2月10日付で多くの出席者を集めて実施するイベントの自粛を求める文書を発表するなど、フィリピン国民にも一定程度、経済活動の自制の動きがみられる。

BIRは、2020年の徴税目標額を2兆5,800億ペソ(約5兆4,180億円、1ペソ=約2.1円)と設定する。これは、2019年の徴税目標額(2兆3,300億ペソ)よりも10.7%多く、実際の徴税額(2兆1,720億ペソ)よりも18.8%高い水準だ。BIRは、現時点で2020年の徴税目標の削減を行わないが、新型コロナウイルスの感染拡大の終息見込みが立たない現状を憂慮しているとした。そのような中でも、BIRは、タール火山の噴火の被害が特に大きかったバタンガス地方の一部地域の住民からの税金還付や税金の支払いの期限を一定期間延長する措置を噴火翌々日(1月14日)に発表するなど、被災者への優遇措置を迅速に行った。

財務省のカルロス・ドミンゲス長官は1月30日には、新型コロナウイルス感染拡大によるフィリピン経済への影響は小さいとし、2020年の経済成長率の目標を6.5~7.5%に据え置いた。タール火山については2月14日付で警戒レベルが5段階中下から2番目のレベル2(不安の減少)に引き下げられ、避難者数もピーク時の10分の1以下に減少するなど、一定程度収束のめどが立っている。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大は、フィリピンの経済成長のエンジンで、GDPの約7割を占める民間消費支出に悪影響をもたらす可能性があり、今後の状況を注視する必要がある。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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