新型コロナウイルスは中国で感染終息の兆し、地域リスク分類で国内移動制限を緩和
(中国)
広州発
2020年03月05日
新型コロナウイルスの感染が拡大した中国では、移動制限や隔離措置など強力な対策が取られたことで、目下のところ感染増加の勢いが収まり始めている。春節休暇後も経済的なダメージを覚悟しながら人の移動制限を行ったが、2月末にはその制限を緩和する動きが本格化した。
国務院は2月17日、それまでの感染拡大防止に集中した防疫管理から、社会・経済活動の回復を念頭においた新たな防疫管理方法として、国内の地域を「低」「中」「高」の3つに分けてリスク管理することを発表した。交通運輸部は2月27日、人の移動に関して、上述の国務院のリスク分類を基に「防疫期間中の都市間道路輸送を保障する通達」を発表。社会経済の安定運行と企業の操業再開を支持するため、道路旅客輸送、公共交通機関、タクシー(オンラインの配車を含む)に関して、地域ごとにリスク分類し(表1参照)、高リスク地域を除く地域間の移動を妨げることを禁止した。
各省・自治区・直轄市政府は、国務院が発表した2月17日の通達に基づき、人口や新型コロナウイルスの感染状況などから、省内各市(県、区)をリスク分類しており、最新の状況に応じて随時調整を行っている。広東省のリスク分類は表2を参照。
中国で最も経済規模が大きい広東省では、企業活動が再開される中で労働者不足が顕著となっている。感染拡大防止と出稼ぎ労働者の職場復帰支援を両輪で推進するため、「一車一方案」と呼ばれる移送サービスを提供している。同サービスは、地方から同一地域に戻る労働者を記録管理し、チャーターバスか電車でまとめて輸送する。これにより、2月26日までに広東省に戻った労働者は7万1,292人に達した。
(盧真)
(中国)
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