石川県産日本酒のPRイベント、国際ワインコンペティションで開催

(ドイツ、石川)

デュッセルドルフ発

2020年03月09日

ジェトロと日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)は2月19日、ドイツ南西部ラインラント=プファルツ州で開催された国際ワインコンペティション「ムンドゥス・ビニ(Mundus Vini)審査会・発表会(春)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」期間中のサイドイベントとして、石川県産日本酒のPRイベントを開催し、同県の酒蔵8社の日本酒を各国から集まったソムリエなどワイン関係者に紹介した。

このコンペティションは、毎年3月にドイツ西部デュッセルドルフ市で開催される世界最大級のワイン・アルコール飲料専門見本市「プロワイン(ProWein)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の直前に行われ、受賞したワインは、「プロワイン」会場にも出展されるなど、ワインのマーケティングにとって重要なイベントの1つ。主催するマイニンガーは1903年に創業したドイツでは最も歴史のある酒類専門出版社で、ムンドゥス・ビニも18年目を数える。コンペティションでは、各国から集まった268人の審査員(ソムリエ、酒類専門誌などの記者、流通関係者、ワインメーカーなど)が2月18~23日の6日間にわたり審査を行った。

PRイベントは大好評、ソムリエらも魚料理と日本酒の相性の良さ認める

ジェトロが今回主催した石川県産日本酒PRイベントには各国のインポーターやワイン製造者、報道関係者、ソムリエなど、当初の定員を大きく上回る37カ国112人の参加申し込みがあった。当日は申し込み者全員が参加し、日本酒への高い関心がうかがえた。ドイツをはじめとする欧州各国に加えて、米国や南米、アフリカからも参加した。

松浦酒造の「獅子の里 鮮」スパークリング日本酒で全員が乾杯した後、PRイベント前半の試飲会では、フランクフルト市内で日本酒バーを経営する、石川県出身で利き酒師の向出真由子氏が日本酒の製造方法などの基礎知識や県内の東酒造の「神泉」、小掘酒造店の「萬歳楽 剱」、数馬酒造の「竹葉 能登純米 しずく」、久世酒造店の「能登路 純米吟醸三年古酒」の特徴などを講演し、参加者らは活発に議論をしながら試飲を行った。後半の夕食会では、魚料理と日本酒のペアリングをテーマに、白藤酒造の「寧音」、松波酒造の「大江山」、西出酒造の「春心兼六桜 昼 甘口」の3銘柄が提供され、多くの参加者が魚料理と日本酒の相性の良さを口にしていた。

初めて日本酒を飲んだという参加者からは、「非常に興味深く、とても勉強になった」「アルコール飲料の新しい世界が経験できた」などとイベントを高く評価する感想や、「今後も日本酒について知識を広げていきたい」といった好感的な声も多く聞かれた。

参加者の中には「プロワイン」での日本産酒類の出展に関心を持つ人も多い。さらに、この展示会には多数の日本産酒類関係者の出展も予定されていることから、ワイン関係者の日本酒への注目はさらに高まりを見せそうだ(注)。

写真 試飲会での講演の様子〔AdLumina 2020(マイニンガー公認フォトグラファー)提供〕

試飲会での講演の様子〔AdLumina 2020(マイニンガー公認フォトグラファー)提供〕

(注)3月15~17日にデュッセルドルフ市内で開催を予定していたプロワインは、新型コロナウイルスの影響により、主催者が開催延期を発表している。開催時期は未定。

(ベアナデット・マイヤー、矢舘実典)

(ドイツ、石川)

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