上海市は16カ国・地域からの渡航者などに対し厳格な隔離措置を実施

(中国)

上海発

2020年03月19日

3月17日、上海市政府は新型コロナウイルスの感染拡大防止に関する記者会見を開いた。上海市政府は記者会見で、韓国、イタリア、イラン、日本、フランス、スペイン、ドイツ、米国、英国、スイス、スウェーデン、ベルギー、ノルウェー、オランダ、デンマークおよびオーストリアの16カ国・地域(以下、重点地域)に直近14日以内に滞在した者(以下、対象者)に対し、国籍を問わず、14日間の自宅あるいは集中隔離施設での隔離措置を実施すると発表した。

隔離措置の詳細は以下の通り。

(1)自宅隔離の条件を定める

「一つの住宅に一人または一家族」と決められており、対象者と非対象者が同一住居に居住する場合、非対象者も同じく14日間の隔離対象となる。

(2)自宅隔離対象者向け集団送迎を実施

上記1.の自宅隔離の条件を満たす対象者は、上海市に到着後、居住する区が指定する「臨時集中検査地域」に集団で移送される。

(3)PCR検査を実施

「臨時集中検査地域」に移送された対象者に対してPCR検査を実施する。結果が陰性であれば、各区が当該対象者を隔離場所まで移送し、14日間の隔離を行う。陽性であれば、指定医療機関に移送され治療を行う。

(4)自宅隔離者の隔離条件を審査

「臨時集中検査地域」でPCR検査の結果を待つ間、自宅のある社区(コミュニティー)担当者は対象者の自宅が隔離条件を満たすか調査する。条件を満たさない対象者は、一律に集中隔離施設に移送される。

(5)自宅隔離を徹底的に管理

地区の公安および衛生健康部署が社区と連携し、より厳しい管理措置を実施し、自宅隔離者が家から出ないよう管理する。無断で自宅を出た者は、法律に基づき処罰される。

(6)集中隔離施設滞在にかかる費用は自己負担

自宅隔離の条件が満たされず、集中隔離施設での隔離を要する対象者は、宿泊費および食費を自己負担する必要がある。

また、上海市政府は中国国内で上海市以外の地域から入国し、その後上海市に到着した対象者に対しても、上記基準に基づき自宅または集中隔離施設で隔離するとともにPCR検査を実施するとしている。

なお、北京市外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます天津市外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます河南省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなど中国各省市政府も同様な隔離措置を発表している。最新情報は各省市のウェブサイトで確認できる。また、在中国日本国大使館のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでも情報をまとめて公開している。

(侯恩東)

(中国)

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