銀行先物為替ポジション限度拡大で、ドル資金供給の拡大狙う

(韓国)

ソウル発

2020年03月23日

韓国企画財政部は3月16日に開催されたマクロ経済金融会議で、外貨流動性の供給拡大を通じてスワップ市場の需給不均衡を緩和させるため、銀行の先物為替ポジション限度の25%ポイント引き上げを決定した。同部は「国内銀行の流動性カバレッジ比率(LCR)が2月末時点で128.3%(暫定)と下限(80%)を上回っており、国内金融機関の外貨流動性はおおむね良好な状況にあるものの、国内の外国為替スワップ市場では、外国人の株式資金関連など、一時的に需要が集中し変動性が拡大する恐れがある」としている。

今回の措置で、3月19日から国内銀行の先物為替ポジションの上限が現行40%から50%に、外国銀行支店は200%から250%に、それぞれ引き上げられたことで、銀行の外貨資金の供給余力が拡大し、先物為替ポジションが高い銀行を中心に、外貨資金の供給が一部拡大することが期待される(注)。

韓国政府は韓国銀行(中央銀行)と金融監督院とともに、金融機関の外貨流動性のみならず、外国為替スワップ市場の動向、海外資金の調達条件などを1日単位で確認しており、企業・金融機関の外貨調達に困難が生じないよう緊密に協議、支援していく方針だ。

また、今後のスワップ市場の需要・供給の変化に対応するために、さまざまな政策手段を関係機関とともにきめ細かく、必要に応じて速やかに措置していくとしている。

(注)銀行は、外国為替スワップ市場に外貨を出してウォンを借りる取引を通じて外貨資金を供給するため、先物為替ポジションの上限を引き上げると、スワップ市場に供給できる外貨規模も拡大する。

〔末永敏、申守智(シン・スジ)〕

(韓国)

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