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ブラジル進出日系企業、新型コロナ懸念も影響度合いは業界ごとにまちまち

(ブラジル、中国、日本)

サンパウロ発

2020年03月12日

ブラジル日本商工会議所は3月5日、2020年上半期業種別部会長シンポジウムをサンパウロ市内で開催した。同シンポジウムでは、金融部会、貿易部会、機械金属部会、自動車部会、コンサルタント部会、化学品部会、電気・情報通信部会、食品部会、運輸サービス部会、生活産業部会の計10部会が、2019年の業績と2020年の展望を発表した。発表によると、2020年の展望ではおおむね業績が向上するとの見方が示されたが、7つの部会がリスク要因として新型コロナウイルスの影響について言及した。

金融部会は、コロナウイルス感染拡大による中国および世界経済の減速、それに伴う商品市況・株価・現地通貨レアルの下落、米国の緊急利下げに伴うブラジル中央銀行の政策金利追従利下げへの観測などから、2020年GDP見通し(2月28日時点で2,17%)はさらに下方修正される可能性を指摘した。

貿易部会は、新型コロナウイルスによる影響により、貿易・投資への影響が見込まれるものの、現時点での判断は難しいと説明した。

機械金属部会は、韓国メーカーのLGのように、「生産の一時中断」という事態は起きていないものの、一部の企業は納期が遅れている事例があると指摘した。

自動車部会は、中国から調達している部品があるため、業界としては何らかの対応が必要で、かつ新型コロナウイルスが長期化する場合は影響が出てくるとの警戒感を示した。二輪車については、マナウスフリーゾーンにおける現地調達率の割合が高いため、自動車と比して影響は少ないとした。

電機・情報通信部会では、次の3点を指摘した。(1)ブラジル国内製造・販売への影響では中国から輸入している部品に納期遅延が発生するリスクがあること、(2)輸入への影響では中国以外の国から輸入している製品・部品に中国製の部品が含まれている場合に、納期遅延と対応の必要性が生じる可能性があることに加え、(3)世界最大のモバイルイベント「MWC:Mobile World Congress」(時期:2月、場所:スペイン・バルセロナ)の開催中止を受け、ビジネス機会を逸するなどの影響が出たと説明した。特に、新型コロナウイルスの影響が長期化する場合は在庫製品・部品が底をつく可能性があるため、影響を最小化するために調達先の多角化などの対策を検討しているとした。ただ、調達先の多角化には多くの投資と時間が必要なため「難しい課題」だとした。

食品部会は、新型コロナウイルス発生以降、ドル高レアル安が急激に進んでおり、「海外からの原料調達や輸出、国内の景況感への影響を注視している」と説明した。

運輸サービス部会は、納期順守の手段として航空貨物需要が増える一方、世界的に貨物輸送も行う旅客機の運行キャンセルが顕在化していることから、航空貨物の限られたスペースの奪い合いで運賃上昇が生じており、状況が一変していることを指摘した。海運では、現時点では限定的ながらも、中国での工場の操業停止が長引けばブラジルの製造業にも波及し、貨物輸送量に影響が出てくると懸念を示した。

旅行業界ではアジアや日本行きのキャンセルが相次ぎ、旅行代理店としては新型コロナウイルスの影響は大きな脅威で、東京オリンピック・パラリンピックが予定どおり開催出来るかどうかについても関心を寄せていると説明した。

(古木勇生)

(ブラジル、中国、日本)

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