南ア政府、4月16日までの外出禁止を発表

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2020年03月26日

ラマポーザ大統領は3月23日の国民演説で新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた措置として、3月26日から21日間にわたる外出禁止(ロックダウン)を国民に呼びかけた。南ア政府は3月15日に「国家的災害事態」を宣言し(2020年3月18日記事参照)、欧州などの高リスク国からの渡航制限などを実施しているが、3月23日時点で国内の感染者数は402人まで増加しており、感染拡大に歯止めがかからない状況だ。

今回の外出禁止の主な内容は以下のとおり。

  • 国全体の外出禁止を3月26日木曜の深夜0時から21日後の4月16日木曜まで実施
  • 医療従事者、警察、軍関係者、食品や日用品の生産、流通、販売や電気・水道などインフラに従事する人などは対象外
  • それ以外の個人については通院、社会保障の受給、食品・医療品の調達以外の外出を禁ずる
  • 薬局、銀行、研究所、ガソリンスタンド、ヘルスケア、食品や日用品、衣料品に関わる企業以外の店舗や会社の閉鎖
  • 在宅勤務が可能な企業はビジネスの継続が可能
  • これらの外出禁止を監督する警察の支援を目的とした国軍の派遣

これらに加え、感染予防を強化するため直ちに以下の内容を実施すると発表した。

  • 南ア政府が指定する「高リスク国(イタリア、イラン、韓国、スペイン、ドイツ、米国、英国、中国)」から南アに帰国する南ア人に対する14日間の強制隔離
  • ヨハネスブルク郊外のランセリア空港の国際線の発着停止(注:一般に使われるORタンボ空港とは別の空港)
  • 3月9日以降に高リスク国から南アに入国した旅行者の滞在先ホテル内での14日間の自主隔離

なお、当地日系企業の間では、今回の外出禁止令が発表される前から感染の急な拡大や南ア国内の医療サービスへの不安、治安の悪化への懸念から、駐在員やその家族の日本への一時退避の動きが始まっている。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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