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新型コロナの金融市場への影響緩和策を実施

(メキシコ)

メキシコ発

2020年03月17日

メキシコの大蔵公債省と中央銀行は3月12日、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的まん延の金融市場への影響を緩和するための対策を発表した。同対策は、総額20億ドルの国内市場におけるノンデリバラブル・フォワード(NDF、注)の入札と、総額400億ペソ(約1,920億円、1ペソ=約4.8円)を上限とした政府と金融機関の間の国債の交換だ。

NDF入札は2017年2月に、米国トランプ政権発足後の為替市場のボラティリティー(価格変動の激しさ)から事業者を救済する目的で導入された。最大で200億ドルを上限に、大蔵公債省と中央銀行の代表から成る為替委員会が必要とみられる金額について、9回にわたり合計55億ドルの入札が2017年に行われた。その後、為替レートが安定して入札は行われなかったが、今回の発表に先立つ2020年3月9日、上限を300億ドルに引き上げて再開する旨が発表されていた。そして、3月12日に入札が行われ、合計9つの金融機関が応札、1カ月もので平均1ドル=21.73ペソ、3カ月もので同1ドル=21.69ペソの応札レートで、合計4億6,000万ドルのNDFが割り当てられた。落札した金融機関は、満期時の実勢レートが応札レートよりもドル高の場合、中銀から差額をペソで受け取れる。逆にドル安の場合は差額をペソで支払う必要があるが、中銀は有利なレートになるまで満期日を繰り延べしていくことも認めている。ドル高に動いた場合のリスクを中銀が取ってくれるため、金融機関はドルを必要とする事業者に対して、同様な条件でドル資金を提供できる。

国債の交換は3月13日に実施され、金融市場の流動性を高めるために金融機関が持つ長期固定金利国債Bonos M(2年以上)と、政府が発行する短期国債Cetesおよび変動金利国債(Bondes D)が交換された。流動性支援のため、政府はこれに合わせて2020年第1四半期の国債発行計画も変更しており、残り2回の発行時には長期固定金利国債を減らし、中期変動金利国債の発行を増やす(大蔵公債省プレスリリース3月12日)。

ペソは一時的に回復も依然大幅なペソ安水準

ペソの対ドル為替相場は、COVID-19の感染が世界に広がる中、3月3日終値の1ドル=19.392ペソから次第に20ペソ台に突入、3月9日にはロシアとサウジアラビアとの原油協調減産協議の決裂を受けて、原油相場が下落したことも影響し、1ドル=21ペソ台に下落した。そして、3月11日夜にトランプ大統領が英国を除く欧州からの入国を禁止するとの発表が影響し、3月12日朝には1ドル=22.190ペソの最安値を記録した。その後、今回の金融市場対策の発表を受けて3月12日の終値は1ドル=21.647ペソまで戻したが、3月13日の相場は再びペソ安方向に動いており、依然として大幅なペソ安水準が続いている。

図 対ドル為替レート(注)の推移(2020年3月)

(注)元本を直接取引するのではなく、あらかじめ決められた取引価格(NDF価格)と決済時の実勢価格との差額を差金決済する方法。メキシコ中銀が行うNDF取引は、ペソで差額を決済する。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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