「一人会社」設立のためのワンストップ窓口を開設、法人登記手続きが短縮

(フィリピン)

マニラ発

2020年03月18日

フィリピン政府は、2019年2月施行の改正会社法(共和国法第11232号)で新たに認められた、株主と社員が1人の「一人会社」の設立手続きをワンストップで行う窓口(NBOSS)を2月28日に開設したと発表した。同日付でフィリピン国営通信ほか地元各紙が報じた。

NBOSSでは、証券取引委員会(SEC)、内国歳入庁(BIR)、社会保険機構(SSS)、フィリピン健康保険公社(フィルヘルス)、持ち家促進相互基金(Home Development Mutual Fund)といった、一人会社の設立に当たって各種申請の申請先となる機関のサービスを、全て1カ所で受けることが可能になる。

2月28日に開設された国内最初のNBOSSは、マニラ首都圏パサイ市内のフィリピン国際会議場(PICC)に設置された。貿易産業省(DTI)のラモン・ロペス長官は、まずは大都市を中心に設置を進めていく、と説明した。

大統領府直轄のお役所仕事排除局(ARTA)のジェレマヤ・ベルヒカ局長は、NBOSSと「Central Business Portal」(注)の開設によって、従来13種類の手続きで33日間は必要だった法人登記手続きが、9種類の手続きと7日間にそれぞれ短縮され、世界銀行が毎年公表するビジネス環境ランキングの向上に貢献する、とした。

(注)フィリピン情報通信技術省(DICT)が2020年第1四半期(1~3月)の完成をめどに開発を進める、オンライン法人登記システム(2019年10月17日記事参照)。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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