外国人の入国禁止措置など発表、非常事態令に基づく措置第1弾

(タイ)

バンコク発

2020年03月30日

タイ政府は3月25日、新型コロナウイルスに関連して26日午前0時からタイ全土で実施する非常事態措置の概要を発表した。官報に掲載された首相令(第4号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおよび第5号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)とプラユット首相発言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどから抜粋した内容は以下のとおり。措置の基本法となる2005年非常事態令PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)のポイントについては添付資料参照。

  • 非常事態の期間は、3月26日から4月30日まで(ただし、3カ月を超えない範囲で複数回の措置延長が可能)
  • 措置に関わる各省庁の権限は、一時的にプラユット首相に移譲外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。新型コロナウイルス対策センターを「非常事態対策本部(CRES)」に格上げ。
  • 今後、政府からの案内は、混乱を避けるため1日1度の記者会見などに限る。
  • 今回の措置により、生活必需品を販売する店舗の閉鎖は起きないことを保証。

非常事態令では、第9条で非常事態時に取りうる措置を規定しているが(2020年3月26日記事参照)、当該条項に基づく決定(第1号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも25日に官報に掲載された。主なポイントは以下のとおり。現時点では、第9条に定められた外出禁止措置、県をまたぐ移動の禁止措置は取られていない。

  • 全ての外国人のタイへの陸路・海路・空路での入国を禁止。ただし、物流・旅客関係者、外交官・国際機関職員とその家族などのほか、労働許可証を有する外国人などを除く。なお、労働許可証を有する外国人などについては、渡航日の72時間以内に発行された、搭乗に適した体調であることを示す健康証明書(Fit-to-Fly)をチェックイン時に提示し、タイ入国後はタイ保健省の定める措置に従う必要がある。詳細については在タイ日本大使館ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも参照のこと。
  • 感染危険地域への立ち入り禁止
  • 施設の閉鎖:ボクシング場、スポーツ場、運動場、競馬場などはタイ全土で閉鎖、パブ、エンターテインメント施設など(注1)については、バンコク都および近隣県(注2)で閉鎖。その他の諸施設も施設の閉鎖を実施可能。
  • 医薬品、医療用品、食品、飲料水などの消費材の買いだめの禁止
  • 集会の禁止(注3)
  • 新型コロナウイルス関連のフェイクニュースの流布の禁止
  • (1)5歳未満の子ども、(2)70歳以上の高齢者、(3)持病を有する者の住居内滞在の推奨
  • 県をまたぐ移動の自粛

最後の2点を除く上記禁止措置に違反した場合、2005年非常事態令第18条(罰則規定)などに基づき処罰の対象となる。

(注1)劇場、マッサージ施設、フィットネス施設、エンターテインメントコンプレックス。

(注2)ノンタブリ県、パトゥムタニ県、ナコンパトム県、サムットプラカーン県、サムットサコーン県。

(注3)禁止措置が取られる区域は非常事態対策本部長が指定。

(蒲田亮平)

(タイ)

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