韓国銀行、6月末まで金融機関に無制限に流動性を供給

(韓国)

ソウル発

2020年03月27日

韓国銀行は3月26日、金融市場の安定を図るため4月から6月までの3カ月間、金融機関に無制限に流動性を供給することを金融通貨委員会で決定した。

政府の「国民生活・金融安定パッケージ・プログラム」の一環として、「買い戻し条件付債券(RP)買い入れ制度」を改正し、毎週1回、基準金利(0.75%)に0.1ポイントを上乗せした0.85%を上限金利とし、市場の全需要に対し無制限に流動性を供給する。さらに大規模な流動性を供給するため、RP買い入れの対象機関や対象証券も拡大する。2020年4月1日から施行される。

同制度の改正案の概要は以下のとおり。

(1)全額供給方式の流動性支援制度の導入

韓国銀行は、毎週1回の定例RP買い入れ(91日満期)を通じて、一定の金利水準で市場の需要に対し無制限で流動性を供給する。

a.入札方式:応札の全額に対し無制限で買い入れ

b.入札金利:「基準金利0.75%プラス0.1ポイント」を上限に、入札ごとに金利を公告

c.入札期間:2020年4月から2020年6月(毎週火曜日に実施。ただし、RP買い入れ対象機関および対象証券の拡大時期等を考慮し、4月最初の入札は4月2日(木)に実施。7月以降は、それまでの入札結果や市場状況などを考慮し、同措置の延長の有無について決定する予定)

(2)非銀行の対象機関および対象証券の拡大

現行の非銀行対象機関である証券5社〔韓国証券金融、ミレアセット大宇(デウ)、サムスン証券、シンヨン証券、NH投資証券〕に加え、新たに証券会社11社〔新韓(シンハン〕金融投資、現代自動車証券、KB投資証券、ハイ投資証券、キウム証券、韓国投資証券、ユジン投資証券、教保(キョボ)証券、大信(テシン)証券、DB投資証券、メリッツ総合金融証券)を追加する。

対象証券は、公共機関8社(注)が発行する債券に加え、銀行債および韓国銀行が金融機関に貸付を行う際に必要となる「貸出適格担保証券」も対象とする。

(注)韓国電力公社、韓国道路公社、韓国ガス公社、韓国土地住宅公社、韓国鉄道公社、韓国鉄道施設公団、韓国水資源公社および中小ベンチャー企業振興公団。

〔末永敏、申守智(シン・スジ)〕

(韓国)

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