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ベネクス、業界に詳しい人材を雇用・活用し、販路拡大へ

(ドイツ)

欧州ロシアCIS課

2020年03月26日

ドイツを中心に欧州でビジネスを進める休養用ウェアのベネクスの戦略について、ドイツ市場での販路拡大の取り組みを紹介する。

同社は、アスリートとの連携を進め、知名度を上げる取り組みを行う一方(2020年3月26日記事参照)、より直接的なユーザー開拓のため、理学療法士などへの商品普及を進めている。最終的なベネクス商品のユーザーは、効果的な疲労回復を望む消費者で、そうした潜在的な顧客は多くの場合、理学療法士に治療やアドバイスを受ける患者であるためだ。同社はドイツの大学とも連携し、科学的なデータを示しつつ、理学療法士の団体にアプローチし、商品を積極的に紹介。現在、ドイツを中心に28社の同社商品取り扱いパートナーを開拓したが、その多くが理学療法士の治療施設だ。

当初はスポーツウェアショップなどへの営業をしていたが、需要はスポーツウェアショップに来る人よりも、疲労回復を望む人が訪れる理学療法施設の方が高いと感じ、営業の方向性を変えていったと、ベネクス・ヨーロッパ(所在地:アンハイム)のアネッテ・シュタインマン氏は語る。マッサージベッドに敷くシーツなどを開発するとともに、2020年5月には、実際に施術体験やデモンストレーションが行える施術室を、同社のコンセプトショップ内にオープンする予定だ。

ただ、一般層への認知度上昇への取り組みも、もちろんおろそかにしているわけではない。コンセプトショップが立地するのは、ドイツ南西部の都市マンハイム中心地のショッピングモールだ。同じフロアにはスポーツジムもあり、ジムに通う人の目に常に同ショップが目に入るという戦略的な立地となっている。また、こうした一等地に入居する別のメリットも受けている。一等地のショッピングモールは、テナントの変更がある場合、ショッピングモールの内観の印象を良く保つため、テナントが空の時期を設けたくない事情がある。ショッピングモール側との関係を築くことで、こうしたテナント交代の端境期に、一時的に出店の機会を獲得し、2020年3月から、臨時店舗を展開。より多くの一般の買い物客が訪れる1階フロアにも出店し、商品を紹介する機会を獲得している。

成功の秘訣(ひけつ)は、アスリートや不動産管理者などキーパーソンとの関係構築にあるという。これには、人脈と経験を持つ「現地人材」を確保できるか否かが大きなカギとなる。多くの進出日系企業がこうした「現地人材」の確保に苦戦する中、シュタインマン氏は、小規模な企業なため、自分がやりたいことが挑戦できる環境が整っていること、そして、ベネクスの商品を1消費者として評価している点をベネクス社員としてのやりがいとして挙げ、こうした点が従業員を引き付けているのではないか、と語った。

なお、ベネクスは2020年1月に、現地法人の立ち上げを共同で行った現地パートナーに、同法人を売却して投資を回収。現在は糸の輸出やライセンシングのかたちで欧州事業を進めている。片野副社長は「立ち上げ時には日本側の大きな関与が重要。ただ、ある程度、ノウハウを伝え、事業が立ち上がった後の販路拡大は現地の運営、現地のマーケティングに任せた方がうまくいくと考えている。本社は別の事業に資源を投入する」と話している。

写真 ベネクス・ヨーロッパのコンセプトショップがあるマンハイム中心部のショッピングモールQ6Q7(ジェトロ撮影)

ベネクス・ヨーロッパのコンセプトショップがあるマンハイム中心部のショッピングモールQ6Q7(ジェトロ撮影)

写真 ショッピングモール1階での臨時出店は買い物客への露出に効果的(ジェトロ撮影)

ショッピングモール1階での臨時出店は買い物客への露出に効果的(ジェトロ撮影)

写真 アスリート向けセラピー専門雑誌に商品を掲載し、専門家の認知度向上(ジェトロ撮影)

アスリート向けセラピー専門雑誌に商品を掲載し、専門家の認知度向上(ジェトロ撮影)

(福井崇泰、尾崎将太)

(ドイツ)

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