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リカバリーウェアのベネクス、地域の産業振興とも連携

(ドイツ)

欧州ロシアCIS課

2020年03月26日

休養用ウェアを展開するベネクスは、2015年11月のドイツでの正式販売開始後、ドイツ国内での知名度向上のための取り組みを続けてきた。同社の今後の戦略について、片野秀樹副社長と現地担当者に聞いた。

ベネクス(神奈川県厚木市)は、「休養」に着目し、疲労回復をサポートする役割をもつ休養用ウェア「リカバリーウェア」を開発した。独自開発した特殊なポリエステル繊維「PHT繊維」を使用した同商品は、口コミとともに市場に浸透し、最近ではアスリートに加え、ビジネスパーソンや主婦、高齢者にまで消費者の裾野を広げている。

ベネクスは、自社商品を効率よく浸透させるべく、ドイツ国内でインフルエンサーとなる多くのスポーツ選手をサポートしてきた。東京オリンピック・パラリンピックを目指す指定強化選手のうち、ハイデルベルグにあるラインネッカーエリアのナショナルトレーニングセンターに所属する選手や、ドイツ代表アイスホッケーチームと製品の提供に関する契約を締結。「現在はドイツやスイスなどのドイツ語圏を中心に事業を展開しているが、今後は北欧での販売を次のステップとして捉えている」と、片野副社長は語った。特にスポーツトレーナーの経験を持つ営業担当者を雇用し、その担当者のネットワークを活用し、有名選手やそのトレーナーにベネクスの商品を紹介できているのも大きいという。

ベネクスは2019年11月に、世界最大級の医療機器展示会「メディカ」(デュッセルドルフ)でドイツ北部のメクレンブルク=フォアポンメルン州のパビリオンに出展した。同州は「保養地ツーリズム」として、観光振興に注力しており、州の思惑とベネクスの商品の技術の方向性が一致したことから実現した。同展示会では、同社商品の肝となる機能繊維で作られた生地が組み込まれ、休養の重要性が体験できる、昼寝用カプセルの「パワーナップマシン」を披露した。会期中は、同州のハリー・グラーベ経済・労働・健康相も来訪してこれを体験、好評を博した。同社にとって、保養地として人気を集める同州は魅力的な市場だ。「州の観光局とのタイアップなどを通じて、今もより強固な関係性を築いていきたい」と、片野副社長は述べた。

写真 メディカで披露したベネクスの「パワーナップマシン」。中央はメクレンブルク=フォアポンメルン州のハリー・グラーベ経済・労働・健康相(ベネクス提供)

メディカで披露したベネクスの「パワーナップマシン」。中央はメクレンブルク=フォアポンメルン州のハリー・グラーベ経済・労働・健康相(ベネクス提供)

糸を日本から輸出し、リトアニアで欧州向けウェアを作るビジネスモデルを展開する同社の日EU経済連携協定(EPA)の利用については、これまで原料の糸の在庫がEU内にあったことから、4月からの利用開始を予定している。これまで関税のかかっていたドイツへの糸の関税が撤廃されることで、利益率の向上が見込む。片野副社長は、今後、より良い商品の開発などに還元していくつもりだ、と抱負を述べた。

写真 ドイツのショッピングモールで販売されるベネクスの商品。ドイツ人にはベージュなどの色が人気(ジェトロ撮影)

ドイツのショッピングモールで販売されるベネクスの商品。ドイツ人にはベージュなどの色が人気(ジェトロ撮影)

(尾崎将太、福井崇泰)

(ドイツ)

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