スイス上陸の日本原産のマメコガネ、防疫の取り組みが助成対象に

(スイス)

ジュネーブ発

2020年03月27日

スイスで3月12日、農業関係の研究開発を行う機関アグロスコープによるマメコガネ(英語名:ジャパニーズ・ビートル)駆除のための国際研究開発プロジェクトがホライズン2020外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます選定された。

マメコガネは日本原産の甲虫で、国際的には野菜や果物の葉、果実、根を食い荒らす害虫とされており、農作物に対する被害について、フロリダ大学は4億5,000万ドルに上るとしている。日本ではマメコガネを害虫と見なすことは少ないが、海外では、幼虫のときは農作物の根を、成虫になると300種類以上の広い種類の植物(ブドウ、ベリー類、プラム類、トウモロコシ、大豆類)を食い荒らすとされている。1916年にアメリカ大陸に上陸し、外来種として一気に活動地域を広げたという。ヨーロッパ大陸では、イタリアで2014年に、スイス南部のティチーノ州で2017年に発見され、活動地域の全土拡大の脅威が懸念されている。

これまで、アグロスコープは昆虫寄生菌類を利用した駆除方法を研究してきた。スイス国内への侵入を発見した直後に研究開始を発表しており、一定の成果を上げているとされている。今後は、ホライズン2020から4年間で550万ユーロが支給され、ドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、ポルトガル、スイスの13研究機関が協力することとなる。害虫駆除に向けた研究の加速化が期待される。

(和田恭)

(スイス)

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