米アラバマ州、2025年までに高度技術者育成の取り組みが不可欠

(米国)

アトランタ発

2020年02月17日

米国アラバマ州のアラバマビジネス教育連盟は1月28日、同州の現行の教育制度と労働力開発を評価した報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。

アラバマ州は、製造業を中心に成長を続ける経済と定年退職による世代交代を見込み、優先事項の1つに人材育成を挙げ、2025年までに50万人の高度技術者を労働人口に追加する目標を掲げている。これは、労働人口に占める高等教育保持者の割合を2017年の43%から2025年までに60%まで増加させることに等しい。

同教育連盟の報告書によると、この目標を達成するには、2025年までに追加的に20万人の高度技術者を育成する取り組みが不可欠だという。報告書は、全米平均を下回る読解力や数学レベル、高校生のカレッジ・キャリア・レディネス(大学や職場に入ってから活躍できるだけの力)の不足に加え、学生が職業・技術教育(CTE、注1)資格を取得しても必ずしも就職できていない状況など、アラバマ州の教育課題の現状を紹介した。その上で、これら課題の克服に向けて、同州が取り組んでいる就学前教育プログラム(Alabama’s First Class Pre-K Program、注2)のさらなる普及と充実、読解力や数学基礎スキルの向上に特化した施策の必要性、産学官連携による学生への就業体験と学習機会の提供などを提言している。

(注1)Career and Technical Education:中等・高等教育機関で行われる専門的な職業スキルの実践的な教育。

(注2)アラバマ州幼児期教育局が管理する、同州の4歳児を対象にした就学前の教育プログラム。

(ユン啓子)

(米国)

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