海水淡水化プロジェクト、CODELCOが再入札を実施

(チリ)

サンティアゴ発

2020年02月04日

チリ国営銅公社(CODELCO)は、チリ北部アントファガスタ州における海水淡水化プラント建設プロジェクトの再入札を実施する(「ディアリオ・フィナンシエロ」紙1月29日)。同プロジェクトについては、丸紅、電力大手トランスエレク(Transelec)、建設大手テチント(Techint)の3社から成る企業コンソーシアムが、2019年11月に落札者として発表されていた(2019年11月13日記事参照)。しかし、12月20日付のCODELCOのプレスリリースにおいて、落札者決定から署名までの間にプロジェクトの仕様に関する見直しが行われ、本淡水化プラントがチリ北部における中長期的に持続可能な鉱山の操業を保つための重要拠点として位置付けられたことから、生成された淡水の各拠点への供給方法や、契約の内容、透明性の確保などを再検討するため、当初の入札の取り消しと、再度の入札を実施について発表されていた。

再入札のスケジュールについては、まず2020年3月にCODELCOから新たな仕様についてのプレゼンテーションが行われ、その後、落札者の決定までに12カ月から24カ月を要すると見込まれている。CODELCOのオクタビオ・アラネダ総裁は「仮に新たな企業が次回の入札に参加するようであれば、より良い提案を準備するために十分な期間を確保し、公平性を担保する必要がある」とコメントしている。

2019年11月の落札者決定の報道がされた時点では、本プロジェクトのピーク時には約2,700人の労働者が動員される見込みとされていた。2020年1月29日付「ディアリオ・フィナンシエロ」紙では、今回の再入札の決定によるプロジェクトの遅れが、プラントが設置される予定のアントファガスタ州における雇用の確保にも影響を与えるのではないか、とも報じられている。

(佐藤竣平)

(チリ)

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