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深センのスタートアップ企業、キャッシュフロー確保が最大の課題

(中国)

広州発

2020年02月20日

ジェトロは2月3~17日にかけて、新型コロナウイルスによる肺炎(以下、新型肺炎)の感染拡大を受けた経営への影響や日本とのビジネスの状況などについて、深セン市に拠点を置くスタートアップ企業20社にヒアリングした。多くの企業が目下の最大の懸念として、キャッシュフローの確保を挙げた。

ハードウエア関連企業への影響が顕著

ヒアリング企業20社とも2月10日には在宅勤務により業務を再開しているが、新型肺炎の影響度合いはソフトウエア系とハードウエア系で大きく異なることが分かった。自動運転や人工知能(AI)、物流ソフトなどを開発するソフトウエア系のスタートアップ企業では、「研究開発やソフト開発への影響は少ない」とする企業が多い。一方、仮想現実(VR)・拡張現実(AR)や無人搬送車(AGV)ロボット開発・生産、フレキシブルディスプレー開発・生産、3Dプリンター開発・生産などハードウエア系のスタートアップ企業からは、「工場が稼働できずテスト品の生産や試験運用ができない」「工場やサプライヤー、物流へのダメージが大きく、生産の停滞により納品が遅れている」「生産に必要なプリンターの設置には専門家の出張サービスが必要だが、対応不可能とのことで設置ができていない」などの声が聞かれた。

多くが直面している課題として挙げたのがキャッシュフローの確保だ。新型肺炎の影響により国内外のクライアントとの商談が継続できず、ビジネスが滞り、その結果、売り上げの減少やベンチャーキャピタル(VC)などからの資金調達も難しくなっているという。2月14日の清科研究中心の発表によると、1月のVCおよびプライベートエクイティ(PE)市場の投資件数は171件と、前年同月比80.2%減。これらのうち金額が開示されている106件の投資金額は、168億6,300万元(約2,698億円、1元=約16円)と66.4%減少した。その要因としては、まず2020年の春節(旧正月)が1月だったことが挙げられるほか、VCなどの投資会社が新規投資を決定するには、企業とオフラインでの緊密なコミュニケーションや十分な調査(デューデリジェンス)が不可欠であることから、新型肺炎を受けて行動が制限されている状況も大きな要因として指摘される。

日本ビジネスを引き続き拡大

他方で、日本とのビジネスに対しては「今後も拡大していく」と、引き続き前向きな意向が示されている。ヒアリング20社のうち19社は「日本進出計画を延期する予定はなく、計画どおり進めている」と回答した。中には「中国国内での生産が遅れることから、発注した日本の顧客への納品が遅れている。返金を求められたり、アフターサービスが追いつかないなどの問題も発生している」との声もあったが、19社とも春節前までに進めてきた日本企業との商談は継続しているという。

(張琳荷)

(中国)

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