インフラ支出が減少、国家予算成立の遅れが影響

(フィリピン)

マニラ発

2020年02月21日

フィリピン予算管理省(DBM)は1月30日、2019年1月から11月までのインフラ支出が7,094億ペソ(約1兆5,607億円、1ペソ=約2.2円)となり、前年同期の7,281億ペソから2.6%減少したと発表した。

DBMは減少の理由について、2019年の国家予算法案が想定より3カ月半遅れて4月中旬に成立した点と、5月に実施された中間選挙の選挙キャンペーン中に公共事業が停止した点を挙げた。ただし、2019年下半期に入ると、フィリピン政府がインフラプロジェクトの予算執行を加速させ、11月単月のインフラ支出額は809億ペソで前年同月の629億ペソから28.6%増加した。

ドゥテルテ大統領は2016年の就任以来、大規模なインフラ開発計画「ビルド・ビルド・ビルド」を優先政策の1つに掲げている。フィリピン国家経済開発庁(NEDA)は2019年11月、総額4兆2,000億ペソに上る100のインフラ基幹プロジェクトを承認し、そのうち2兆3,100億ペソがODA、1兆7,700億ペソが官民連携(PPP)、1,680億ペソが国家予算によるものとされる。

2019年の国家予算の執行率は11月末時点で88%の3兆3,000億ペソとされ、前年の3兆1,000億ペソから6.5%増加した。2020年の国家予算法案は1月6日に成立し、予算規模は4兆1,000億ペソ。フィリピン予算調整委員会(DBMM)は2019年12月、2021年の国家予算は前年比で13%増の4兆6,400億ペソを見込むと発表している。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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