エストニアのラタス首相が来日、両首脳立ち会いで両国企業が覚書交換

(エストニア、日本)

ワルシャワ発

2020年02月28日

エストニアのユリ・ラタス首相は2月10~14日、実務訪問賓客として来日した。ラタス首相は2月10日に安倍晋三首相と首脳会談を行ったほか、エストニアの企業団とともに、関東地方および関西地方を訪問した。

2月10日の午後、日・エストニア首脳会談が行われた。同会談の中で、安倍首相は「経済分野では、ビジネスミッションの増加、ジェトロおよびJBIC(国際協力銀行)の活動強化など、関係強化が目覚ましい。特にエストニアが世界最先端を走るICT(情報通信技術)分野での両国企業間の協力が顕著で、引き続き両国経済関係のさらなる強化に期待する」と、2国間での関係強化に言及した。ラタス大統領も「ICTやサイバー分野は日本と真の協力が進められる分野で、さまざまな経験を共有できると考えている」と、ICTやサイバー分野での協力に期待を示した。また、両首脳は、3月から開始されるワーキングホリデー制度について、両国の若者が互いの国を知り、両国国民の人的交流が進むきっかけとなることへの期待を表明した(添付資料参照)。

会談後には、両首脳が立ち会いの下、国民生活センターとエストニア消費者保護・技術規制庁との消費者相談処理に係る協力のための覚書のほか、日本企業とエストニア企業間の覚書を含む3件の覚書交換式が執り行われた。

ジェトロ京都との共催でピッチやネットワーキングイベントを開催

今回のラタス首相来日に際しては、スマートシティや電子教育、サイバー分野のエストニア企業20社ほどが同行しており、関東地方および関西地方の経済団体などとの交流も行った。

2月13日には、ジェトロ京都と在日エストニア大使館・エンタープライズエストニアの共催により、来日したエストニア企業によるピッチ(注)イベントが京都市内のホテルで開催された。ラタス首相は、同イベントのオープニングスピーチで、日本とエストニアの経済関係について触れ、エストニアのエコシステムへの日本企業の関心が高いこと、Eレジデンシー(電子市民制度)を利用した日本人の電子居住者が既に3,000人を超えていることなど、エストニアへの期待の高さを強調した。また、ピッチイベント後にはネットワーキングが行われ、イベントに参加した日本企業はエストニア企業との情報交換や協業の可能性を探った。

写真 ラタス首相のスピーチの様子(ジェトロ撮影)

ラタス首相のスピーチの様子(ジェトロ撮影)

(注)短時間で行うプレゼンテーション。

(吉戸翼、楢橋広基)

(エストニア、日本)

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