2019年の対EU輸出に占めるGSPプラスによる免税割合は25%、総額20億ユーロ

(フィリピン)

マニラ発

2020年02月13日

EUは1月23日、2019年のフィリピンの対EU諸国輸出額のうち、EUによる一般特恵関税の優遇制度(GSPプラス)を利用して関税が免除された割合が25%、総額20億ユーロに上ると発表した。1月23日付の「フィリピン国営通信社(PNA)」ほか地元各紙が報じた。

GSPプラスは、持続可能な開発や人権保障などに関連する一連の国際条約を批准・準拠している後発開発途上国(LDC)・地域に対して、EUがさらなる特恵措置を付与する制度で、一般特恵関税制度(GSP)より幅広い品目が免除対象となる。GSPプラスによって、フィリピンの6,274の品目の対EU諸国輸出が関税の免税対象となっている。EUは現在、フィリピンのほかに、アルメニアやボリビア、カボベルデ、キルギス、モンゴル、パキスタン、スリランカをGSPプラスの対象国としている。

EUによると、1月から開始の登録輸出者(REX)システム(注)により、フィリピンからの輸出手続きが簡素化、迅速化され、GSPプラスを利用したフィリピンからの対EU諸国輸出は2020年にさらなる拡大が見込まれるとした。

EUによると、2019年1~11月のフィリピンの対EU諸国輸出額は75億ユーロで、前年同期比2%増加した。一方で、フィリピンの対EU諸国輸入額も同じく75億ユーロで、前年同期比8%増加した。EUはさらに、2020年にはフィリピンのセブパシフィック航空によるエアバスA321機の購入が控えており、2020年のフィリピンの対EU諸国輸入額はさらに増加する見込みだとした。

(注)インボイスなどの商業書類に登録輸出事業者が原産地宣誓を付記することによって、原産地証明書の代わりとするシステム。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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