中国の紫金鉱業集団、コロンビアの鉱山権益100%を取得

(コロンビア、中国)

ボゴタ発

2020年02月06日

中国の金鉱採掘大手、紫金鉱業集団はカナダのコンチネンタル・ゴールドの株式権益を100%買収する。1月29日付でコンチネンタル・ゴールドの取締役会で決定された。買収額は約10億ドルで、紫金鉱業集団はコンチネンタル・ゴールドが保有するコロンビア・アンティオキア県北部のブリティカ鉱山の権益100%を取得する。ブリティカ鉱山の金確認埋蔵量は約165トン、推定埋蔵量は約187トンとされており、紫金鉱業集団は年間約25万オンスを生産、14年間の操業を見込んでいる。コロンビア政府はブリティカ鉱山と既に採掘段階にあるシスネロス鉱山(アンティオキア県)の採鉱プロジェクトにより、2020年以降の国内の金生産量は26%増加すると見込んでいる(2019年7月23日記事参照)。

存在感増す中国投資

中国はこれまでベネズエラやブラジル、アルゼンチン、エクアドルなど南米各国でインフラやエネルギー部門への投資を積極的に行っている。一方、コロンビアでのプレゼンスは高いとはいえず、2004~2019年第3四半期(7~9月)までの直接投資累計額は約2億1,600万ドルで、同期間の日本の直接投資額の半分以下、コロンビアの受け入れ額全体のわずか0.1%を占めるにとどまる。

しかし近年、中国企業のコロンビア進出が目立っている。2018年8月に雑貨販売の名創優品(MINISO)が首都ボゴタに出店。現在21都市で60店を展開している。2019年6月にはライドシェア大手の滴滴出行(DiDi)が進出し、国内で既に10万人の登録ドライバーを有するとしている。また、インフラ分野でも存在感を増している。2019年10月にボゴタメトロ1号線をインフラ大手の中国港湾工程(CHEC)と西安地下鉄道が落札した。12月にはボゴタと郊外のファカタティバ間の約40キロを結ぶ鉄道建設を中国土木行程集団が落札している。

イバン・ドゥケ大統領は2019年7月に中国を公式訪問して習近平国家主席と会談。コロンビアからのコーヒー輸出拡大やアボカド輸出解禁、中国留学の奨学金制度創設、ボゴタと上海間の直行便開設の検討などを発表しており、経済関係の活発化を後押ししている。

(茗荷谷奏)

(コロンビア、中国)

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