鉱山開発により2020年以降の金生産量は26%増の見込み

(コロンビア)

ボゴタ発

2019年07月23日

「ラ・レプブリカ」紙(7月8日)によると、国家鉱山庁(ANM)は、アンティオキア県北部で進行中のシスネロス鉱山およびブリティカ鉱山における採鉱プロジェクトにより、コロンビア国内の金生産量は2020年以降、26%以上増加するとの見通しを発表した。既に採掘段階にあるシスネロス鉱山は、アンティオキア・ゴールドが権益を有し、年間生産量は0.8トン。一方のブリティカ鉱山は、コンチネンタル・ゴールドが権益を有し、2020年に操業を開始する計画だ。ブリティカ鉱山は初年度に9トンの生産を見込む。

ANMによると、コロンビアの金生産量は2016年の62トンから、2017年42トン、2018年35トンと、近年、減少傾向にある。この背景には、政府が犯罪組織による違法採掘への取り締まりを強化したことがある。コロンビア鉱業協会(ACM)によると、違法に採掘された金の流通額は年間12億ドルに上り、これは国内の金生産量および金輸出額全体の80%に達する。違法採掘対策としてANMは、採鉱事業者の単一登録制導入や、小規模採掘事業者に対する最大可採量の設定、鉱山労働者への法的、環境的、技術的および社会的基準の教育などを行っている。また大手採鉱事業者も、労働者への教育を強化している。鉱山労働者の多くが、合法採掘と違法採掘両方の現場で働いており、労働者に対して違法採掘が地域や環境にもたらす被害の大きさについて知らせることで、労働者が違法採掘に従事しないよう研修を行う。

「ラ・レプブリカ」紙によると、シスネロス鉱山やブリティカ鉱山による生産量の増加により、2030年までに金の輸出量70トンという政府の長期目標に近づくとみられている。シルバナ・アビブANM長官は「われわれは鉱業については新興国で、今後も金や銅などの新たな鉱床を発掘し続ける」と述べ、鉱業セクターのさらなる発展と投資について語った

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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