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カザフスタン政府、食用家畜の輸出を全面禁止

(カザフスタン)

タシケント発

2020年02月18日

サパルハン・オマロフ農業相は1月18日、カザフスタンからの家畜の輸出を全面禁止すると発表した。その主な理由は、食肉牛輸出の大幅な増加だ。

2019年の統計によると、カザフスタンの食肉牛の輸出量は15万6,000頭を超え、前年比で3倍に膨らんだ。特にウズベキスタンへの輸出量は、前年比で4倍と急速に増えている。カザフスタン政府は、「2018~2027年農業団地開発国家プログラム」(注)において家畜数を2.5倍に増加させることを目標に掲げ、繁殖用に雌牛5万8,000頭を輸入し、1頭当たり22万5,000テンゲ(約6万5,000円、1テンゲ=約0.29円)の補助金を支給していた。

食肉牛の輸出については、統計上はほとんどが雄牛で、雌牛は5%程度だった。しかし、2019年夏、雄牛にまぎれて雌牛(未経産牛)が国外に流出しているのではないか、という専門家からの問題提起があり、国境での監視を行った結果、2019年10月に農業省は雌牛の輸出を全て禁止した。だが、その後も家畜輸出のペースに歯止めがかからなかった。

現状の輸出を容認すれば、前述の国家プログラムの目標達成はできない。また、カザフスタンの食肉工場の現在の稼働率は30~35%で、完成品(食肉)を輸出せずに、原材料を輸出することはカザフスタンの食肉産業の発展にも結び付かない。今回、カザフスタン政府が家畜輸出の全面禁止を決定したことには、このような背景がある。

2019年の食肉牛の輸出総量15万6,000頭の輸出先ごとの内訳は、ウズベキスタン12万1,500頭(78%)、アルメニア2万2,000頭(14%)、アゼルバイジャン5,000頭(3%)など。また、食用羊の輸出総量は26万4,000頭で、輸出先ごとにはウズベキスタン20万頭(76%)、ロシア2万1,500頭(8.1%)、アゼルバイジャン1万8,000頭(6.7%)、イラン1万2,000頭(4.5%)などとなっている。

(注)農業労働者の生産性向上と農業生産物の輸出量増加、農業分野の国際競争力を高めることを目的とした中期国家戦略プログラム。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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