ラトビア最大のスタートアップイベントが首都リガで開催

(ラトビア)

ワルシャワ発

2020年02月28日

ラトビアの首都リガで2月20、21日、同国最大のスタートアップイベント「テックチル(Techchill)」が開催された。300社を越えるスタートアップ、200人を超える投資家ら2,300人が来場した。9年目の開催となる今回のテックチルは「大きな転換(Big Shift)」をテーマに、グリーンテック、第5世代移動通信システム(5G)やブロックチェーンによる変革に焦点を当てており、気候変動をテーマにしたキーノートスピーチやパネルディスカッションなどが目立った。

写真 キーノートスピーチの様子(ジェトロ撮影)

キーノートスピーチの様子(ジェトロ撮影)

テックチルの特徴である、ステージに登壇したキーノートスピーカーとテーブル越しにディスカッションできるラウンドテーブルのほか、アプリを利用して参加者が面談を設定するミーティングルームの設置はテックチルの魅力の1つだ。海外からの参加者も多く全体の3割を占める。バルト3国の中心に位置するラトビアで開催されることもあり、エストニアやリトアニアからの参加者が多いのも特徴だ。バルト3国の投資家やスタートアップと出会うことを目的に、ほかの欧州諸国からも多くの参加者が集まる。

写真 キーノートスピーカーとディスカッションを行うラウンドテーブル(ジェトロ撮影)

キーノートスピーカーとディスカッションを行うラウンドテーブル(ジェトロ撮影)

スタートアップが宣伝を行うデモエリアでは、初日はラトビアのスタートアップ、2日目は海外のスタートアップが、入れ替わりで展示を行った。リガはバルト3国で最大の人口を抱える都市で、IT技術者らが多く集まる。また、生活費が安く、運営コストが低く抑えられることから、起業家が集まるハブとしても注目が集まっている。参加するスタートアップの多くは、投資家とのコンタクトを目当てにしているものの、事業のパートナー探しも行っており、中には日系企業と協業を行っているスタートアップも参加していた。次回の開催は2021年2月末が予定されている。

(吉戸翼)

(ラトビア)

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