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インド政府、量子技術への大規模投資を発表

(インド)

ベンガルール発

2020年02月12日

インド政府が2月1日に発表した2020年度(2020年4月~2021年3月)国家予算案で、「量子技術」の研究開発に11億2,000万ドル規模の大型予算を割り当てることが盛り込まれた。政府は新たに「国家量子計画」を策定し、5カ年計画に基づいて実施するという。同内容は科学技術省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでも発表されている。

ニルマラ・シタラマン財務相は、2020年度国家予算案演説で、「新しい経済を構築するために、従来のビジネスモデルを破壊する、革新的な技術をベースにしていく。特に、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)、3Dプリンター技術、ドローン、DNAデータバンク、量子コンピュータなどが世界の経済を変えていく。特に、量子技術は、応用分野が広い」と語った。

量子技術は、従来の計算技術とは根本的に異なり、計算能力を飛躍的に上げることができる技術だ。技術の応用として、航空宇宙工学や気象学への適用が期待されており、現在、世界中で激しい開発競争が繰り広げられている分野だ。米国では、2018年に量子情報科学の国家戦略概要が発表され、官民挙げての取り組みが進んでおり、12億ドルの投資を決定している。2019年10月には、米国のグーグルが他社に先駆けて、量子コンピュータを開発したと発表した。また欧州は、2016年に11億3,000万ドルの拠出を決定、ロシアも同様に数億ドル規模の予算を拠出しているという(「ネイチャー」2020年2月3日)。また、中国のアリババ集団なども量子コンピュータの開発を進めているといわれており、世界中の企業が研究開発を進めている。

世界有数のIT産業を抱えるインドは、さらなる競争力の強化を目指して、国家戦略として量子技術の開発に取り組む姿勢をみせており、大型予算の配分を決めた。次世代の科学者の人材育成や研究開発にとどまらず、技術の応用を念頭に置いて、起業促進やスタートアップ・エコシステムの形成を進める考えだ。政府予算を背景として、人材と研究をベースに、産業界の技術革新を呼び込み、ひいては経済成長や雇用創出につなげることを目的としている。IT大国インドが、政府を挙げて量子技術への取り組みを本格化することで、今後の世界の開発競争の行方が注目される。

(遠藤壮一郎)

(インド)

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