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欧州委、カンボジアへの特恵関税適用を一部停止へ

(EU、カンボジア)

ブリュッセル発

2020年02月17日

欧州委員会は2月12日、EUがカンボジアに適用している特恵関税を一部停止する委任規則を採択した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。一部の衣類と履物、全ての旅行用品、砂糖が適用停止の対象品目。欧州議会とEU理事会が否決しない限り、委任規則は半年後の8月12日から適用される。

人権侵害を理由に「武器以外の全て」の品目への特恵関税を見直す

カンボジアは、EUの一般特恵制度(GSP)の中でも最も対象が広範囲の待遇である「武器以外の全て(EBA、注1)」の恩恵を受けてきた。EUの発表によると、カンボジアからEUへの輸出額54億ドル(2018年)のうち、95.7%がEBAに基づき無税でEUに輸入されている。EBAの受益国の中ではバングラデシュに次ぐ規模だ。

EUはGSP適用に関する理事会規則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(19条)に基づき、1年前の2019年2月11日に、カンボジアの人権侵害の状況(注2)に鑑み、EBA待遇の完全もしくは部分的な適用停止に向けた調査検討に入っていた。カンボジア国内では、EUの動きに対して政府が反発する一方、EBAが停止された場合の経済への影響も懸念していた(2019年12月4日記事参照)。

今回、EBA適用停止の対象を一部品目に限定した背景として、欧州委は、カンボジアの産業発展全体へのインパクトを制限すべく、自転車や高付加価値の衣類などを対象から除外し、「カンボジアの社会的および経済的な発展を保全すると同時に、人権尊重を確保するバランスの取れたアプローチ」の結果だと説明した。

欧州委によると、EUは今後もカンボジア政府への働きかけと人権状況のモニタリングを継続し、顕著な改善が確認されれば、EBAに基づく特恵待遇の回復も可能だ。

カンボジア以外のEBA受益国では、バングラデシュ、ミャンマーもEUのGSP報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2月10日付)の中で人権状況に関する懸念が指摘されており、EUとしては両国の対応を注視している。

(注1)国連が規定する後発開発途上国(LDC)を対象に、武器兵器以外の全ての製品の輸入関税を無税とし、輸入割り当ても行わないとするEU独自の特恵関税制度。詳細はジェトロ制度情報「EU 一般特恵関税制度」を参照。

(注2)具体的には、政治参加や表現の自由、集会・結社の自由、土地所有権、労働権に対する制限の「市民的および政治的権利に関する国際規約(ICCPR)」違反。

(安田啓)

(EU、カンボジア)

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