ASF拡大防止のため検疫官の権限強化、冷蔵倉庫立ち入りや水際審査を厳格化

(フィリピン)

マニラ発

2020年02月05日

フィリピン農業省(DA)は1月14日、ASF(アフリカ豚熱)のフィリピン国内の感染拡大を防止するため、検疫官に対して企業の冷蔵倉庫への立ち入り権限を付与する通達(Memorandum Order No.3, Series of 2020)を出した。通達はさらに、検疫官によるフィリピンの港湾でのコンテナの検査権限の強化を定める。

背景には、豚肉関連製品の輸入が禁止されているASFの発生国から、豚肉関連製品ではないと申告されて輸入された製品に、豚肉が含まれていたという事件の発生がある。

フィリピンでは、2019年9月にマニラ首都圏に接するリサール州の養豚場で、国内で初めてのASFの発生が確認された(2019年9月13日記事参照)以降、DAの動物産業局(BAI)によると、2019年12月15日時点でASFの疑いで14万7,334匹の豚が殺処分され、うち18%に当たる2万6,077匹から、ASFの陽性反応が確認されたとされる。フィリピンは現在、中国やベルギー、ブルガリア、カンボジア、ハンガリー、ラオス、モルドバ、ポーランド、南アフリカ共和国、インドネシアからの豚肉関連製品の輸入を禁止している。

通達は2020年12月4日までを有効期限とするが、食品医薬品局(FDA)が通達を取り消さない限り、有効期限は1年間更新されると規定する。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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