フランダース地域への2019年の対内直接投資は過去最高の52億ユーロ

(ベルギー)

ブリュッセル発

2020年02月03日

ベルギー・フランダース政府貿易投資局(FIT)(注)は1月22日、2019年の同地域に対する直接投資額が、2018年の42億4,000万ユーロから増加し、52億ユーロとなったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

金額ベースでの対内投資が過去最高を更新

2019年のフランダース地域への対内投資は、化学産業が特に貢献し、前年に引き続き金額ベースで過去最高となった。対内直接投資件数も、前年より10.3%増加の258件となった。対内直接投資件数の内訳を投資元国別にみると、2018年に引き続き米国からの投資件数が最も多く、オランダ、英国、フランス、ドイツが続いた(表参照)。

表 2019年の投資元国別フランダース地域の対内直接投資件数(上位10カ国)

投資形態別にみると、前年に引き続いて、グリーンフィールド投資が最多で全体の55.8%を占め、M&Aは30.6%となった。活動分野別にみると、「販売およびマーケティング」への投資が最も多く全体の33.0%を占めた。次いで「研究開発」が22.5%、「製造」が19.8%、「物流」が18.2%となった。

FITは、同地域の対内投資に特に貢献した外国企業・団体に「外国企業投資賞」を授与している。2019年の同賞には、チョコレート製造大手バリー・カレボー(スイス)、トラック製造のダフトラック(オランダ)、実験室で製造するダイヤモンド製品を扱うヘヤル・エンジニアリング(アラブ首長国連邦)、女性向けのヘルスケアを手掛けるホロジック(米国)、車両物流のインターナショナル・カー・オペレーターズ(ICO)(日本郵船の子会社)の5社をノミネートした。

FITによれば、フランダース地域のアールストに流通拠点を持つバリー・カレボーは、国際的な需要に対応するために、約1億ユーロを投資し、より大規模なロジスティクス・センターをベルギー北部のローケレンに設立予定だ。ダフトラックは、アントワープにある同社の部品工場に約2億ユーロを投資し、トラックのキャビンなどの生産能力を45%引き上げる。ヘヤル・エンジニアリングは、ダイヤモンドの研磨工場と研究施設の建設に、第1段階で約2,600万ユーロを投資し(フランダース政府が200万ユーロを補助)、12~15人の雇用を創出予定で、将来的には投資額は2億6,200万ユーロ、雇用数は120~150人に達する見込みだという。ホロジックは2019年3月、約1,500平方メートルの顧客・医療専門家・従業員向けサービス兼トレーニングセンターをブリュッセル空港付近に開所した。ICOは、ゼーブルージュ港に新しいオフィスを建設し、既存のカーターミナルを拡張するほか、同ターミナルに11基の風力発電施設を2020年後半までに建設する予定だ。

なお、同賞の結果発表は、2月11日に発表される見込みだ。

(注)ベルギーは連邦制を採っており、通商分野は北部のフランダース政府と南部のワロン地域政府、ブリュッセル首都圏地域がそれぞれ管轄している。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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