サウジアラビアで大規模な省庁改編、投資省を新設
(サウジアラビア)
リヤド発
2020年02月27日
サウジアラビアでは2月25日の閣議後、勅令により大規模な省庁再編が発表された。主な改編は次のとおり。
- サウジアラビア総合投資院(SAGIA)を省に格上げし、投資省を新設。投資相にアル・ファーレフ元エネルギー・産業鉱物資源相を任命。
- 商業・投資省が商業省と投資省に分割され(投資省は上記の旧SAGIAを格上げしたもの)、アル・カサビ前商業・投資相は引き続き商業相として続投。
- 公共サービス省(Ministry of Civil Service)と労働・社会発展省を統合し、人材・社会発展省として新設。アル・ラージヒー前労働・社会発展相を人材・社会発展相に任命。
- 総合スポーツ庁をスポーツ省に格上げ。アブドゥルアジーズ・スポーツ庁長官(王族)がそのままスポーツ相に着任。
- 遺跡観光庁を観光省に格上げ。アル・ハティーブ遺跡観光庁長官がそのまま観光相に着任。
今回の省庁改編では、政府が推進する国家改革「ビジョン2030」の中でも、特に先んじて力を入れてきた投資促進、雇用促進、観光促進、スポーツ振興の関連組織が相次いで格上げされた。特に、外国企業の対サウジアラビア投資の窓口となってきたSAGIAが省に格上げされ、ビジョン2030発表以降、経済多角化のイニシアチブを取ってきたアル・ファーレフ元エネルギー・産業鉱物資源相が投資相に任命されたことで、政府としてより一層の投資の呼び込みを推進していく意思の表れとみられる。
ジェトロが旧SAGIA日本担当者に確認したところ、投資省は旧SAGIAの業務をそのまま継続して行うとのことで、外国企業に発給するライセンスも「投資ライセンス」として引き続き同省が発給予定とのことだった。
(柴田美穂)
(サウジアラビア)
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