過去最低水準の政策金利4.50%をさらに引き下げ4.25%へ

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年02月14日

ブラジル中央銀行の金融政策委員会(Copom)は2月5日、政策金利(Selic)を過去最低だった4.50%からさらに0.25ポイント引き下げ、4.25%とすることを決定した。理由について、外的要因では、世界経済の不透明感にもかかわらず主要経済国の金融政策に大きな変化がないことで、新興国にとっては比較的望ましい状況が生まれた、としている。内的要因では、経済活動が回復途上にある点や、2020年のインフレ率を3.5%と予測(注)し、インフレ目標中央値4.0%(許容範囲は上下1.5ポイント)の範囲内にあることを踏まえ、今回の利下げを決定したと説明している。

産業界では、サンパウロ州工業連盟(FIESP)が公式サイトで、雇用の創出と収入の増加を伴う持続的な経済成長に必要な要素としての低金利と評価した。中銀のステートメントによると、2019年7月(当時の政策金利は6.5%)から5回連続で行った利下げの効果が経済指標に表れるまでには時間がかかるため、金融政策の緩和はここでいったん中断することが適切という。次回Copomは3月17、18日に実施される。

(注)通貨レアルの対ドルレートを4.25レアルと仮定。

(古木勇生)

(ブラジル)

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