関税税則委員会、対米追加関税の適用除外措置の申請対象696品目のリストを発表

(中国、米国)

北京発

2020年02月26日

中国の国務院関税税則委員会は2月18日、対米追加関税の適用除外(市場化買い付け)措置の申請対象として、新たに696品目のリストPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。リストに含まれた品目について、米中第1段階合意で定められた輸入額目標の基準となる2017年の中国の対米輸入実績で金額が多い順にみると、大豆や原油、液化プロパン、古紙、銅のくず、などとなる(表参照)。

また、リストに掲載された全品目の2017年の輸入額が対米輸入実績総額に占める割合は、42.4%と大きな割合を占める。そのため、今回のリスト掲載品目に対する適用除外申請が幅広く認可されれば、米中第1段階合意に基づく中国の追加輸入額目標達成への追い風になる。

表 適用除外申請リスト掲載品目の輸入額(2017年の米国からの輸入実績額上位10品目)

リスト非掲載品目も適用除外申請を受け付け

今回発表された適用除外(市場化買い付け)措置は、「税委会公告〔2019〕2号」に基づき、これまでに実施された第1期および第2期の適用除外措置とは幾つか異なる点がある。

これまでの適用除外措置では、適用除外対象として決定された品目について、輸入企業はその品目についての適用除外申請をしたか否かにかかわらず、措置の有効期間内は適用除外措置を享受できた(注1)。一方、適用除外(市場化買い付け)措置では、申請者が買い付け計画などを申請する必要がある。また、今回発表されたリストに掲載されていない品目についても、適用除外措置を申請できる(注2)。

申請者は適用除外申告システム(財政部関税政策研究中心ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を通して、適用除外を申請することとされており、2020年3月2日から申請を受け付ける。

関税税則委員会は、申請者がシステム上に入力した情報に基づき、有効な申請に対しては逐一審査を行い、申請結果を速やかに通知する。

申請者は、適用除外の認可をされた日から1年間は認可された輸入金額の範囲内の品目について、中国の対米国の301条に基づく措置による追加関税を賦課されないが、認可された金額を超える部分については、適用除外とならず、自身で追加関税額を負担する必要がある。また、認可前に既に課されていた追加関税の税額については、還付しない。検査・検疫などその他の輸入管理・監督事項については、現行規定に基づき実施する。

なお、適用除外措置の対象として認可された買い付け計画のうち、当月中に取引が完了しなかった金額については、当月末に自動的にその部分が失効する。当月の買い付け計画を上回る部分については、定められた期間内に追加の適用除外申請が必要となる。そのうち、関税税則委員会の審査・認可を経たものは適用除外措置の対象となる。

(注1)既に適用除外措置〔「税委会公告(2019)2号」に基づくもの〕の対象となっており、かつ適用除外措置の有効期限内の品目については、新たに適用除外申請をする必要はない。

(注2)申請者はそれらの品目について、対米追加関税の賦課が申請者に与える影響など、必要な説明を求められる。なお、同措置の申請対象は、米国から関係品目の輸入・買い付け契約をする中国国内の企業に限られる。

(注3)これまで発表された適用除外措置については、以下を参照。

(藤原智生)

(中国、米国)

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