IMF、フィリピンの2020年経済成長率を6.3%と予測、政府目標は6.5~7.5%

(フィリピン)

マニラ発

2020年02月17日

IMFは1月20日、2020年のフィリピンの経済成長率を6.3%と予測し、前回(2019年11月)の予測値(6.3%)を据え置いた。

米中貿易摩擦や中東などの地政学的リスクから、IMFは2020年の世界経済の成長率を3.3%とし、前回(2019年10月)から0.1ポイント下方修正する中、フィリピンについては、2019年は不調だった政府支出の回復が見込める点と、フィリピン中央銀行(BSP)が2019年に政策金利を合計0.75ポイント引き下げた点など、フィリピン政府による金融緩和政策を評価したかたちだ。

フィリピンでは、2019年度予算が見込みより3カ月半遅れて4月に成立し、公共投資が落ち込んだことが上半期の経済成長率の鈍化(5.5%)につながったと指摘されている。その後、2019年第3四半期(7~9月)の政府消費支出や建設投資が回復し、同期は6.2%と6四半期ぶりの高成長率をみせたものの、1月22日にフィリピン政府は同期について6.0%に修正したと発表した。

2019年第4四半期(10~12月)の経済成長率は6.4%と加速したが、2019年通年の経済成長率は5.9%と政府目標6.0~7.0%の下限に0.1ポイント届かなかった。政府は2020年の経済成長率の目標を6.5~7.5%と設定している。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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