新型コロナウイルス感染者が22人に、景気刺激策を2月27日に発表

(マレーシア)

クアラルンプール発

2020年02月21日

マレーシア政府は2月18日、国内の新型コロナウイルス感染者が22人となったことを発表した。内訳はマレーシア人6人、中国人15人、米国人1人。うち、中国人10人とマレーシア人3人の計13人が回復して、退院した。また、政府は前日の17日、中国国内の全ての港から出航または寄港したクルーズ船のマレーシアへの入港を一時的に禁止することを決定した。

リム・グアン・エン財務相は14日、財務省や経済省、運輸省、観光・芸術・文化省、起業家開発省などと共同で景気刺激策を準備しており、27日にマハティール・モハマド首相が詳細を発表すると述べた。景気刺激策としては、新型コロナウイルスにより売り上げに著しく影響を受けつつも、事態が収束すれば回復が見込める企業のキャッシュフローを補填(ほてん)するような方策が検討されているという。主な支援対象産業としては、観光業や航空業を含めた運輸業などが挙がっている。

政府はまた、国内旅行の促進や新たな市場開拓といった代替案を検討することも強調した。観光・芸術・文化省は観光回復行動委員会を設置し中国人旅行者の減少を受けて、旅行者数トップ3に入るシンガポールやインドネシアなどのASEAN諸国とインドからの旅行者誘致を強化するなど、観光業の回復を目指す戦略策定を行う。

国民に予防意識を呼び掛け

ワン・アジザ・ワン・イスマイル副首相は16日、「マレーシア政府は、多くの人が参加するイベントやプログラムでも現在も主催している」と述べた。さらに、国民一人一人が予防意識を高め、ソーシャルメディアでの不安をあおるようなフェイクニュースや未確認情報を拡散したり信じたりしないように呼び掛けた。警察当局によると、新型コロナウイルスに関するフェイクニュースを流したとして12人を拘束しており(2月5日時点)、新たな社会問題になりつつある。

(田中麻理)

(マレーシア)

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