鉄鋼メーカー6社がライセンス停止、国家規格の基準満たさず

(フィリピン)

マニラ発

2020年02月10日

フィリピン貿易産業省(DTI)は2月4日、フィリピン国家規格の品質基準を満たさない鉄鋼製品を製造したとし、フィリピン・スタンダード・ライセンス(注)を2019年中に停止した国内の鉄鋼メーカーが6社あったと発表した。

2019年に製品規格局(BPS)が実施した、事前通告なしの認証審査によって6社の違反が発覚。その多くは、フィリピン国家規格が定める品質を満たさない棒鋼や等辺山形鋼をフィリピン国内で製造していた。

関税局(BOC)も、輸入時の水際での審査を厳格化している。同局は、フィリピン国家規格の基準を満たさず、輸入商品許可証(ICC)の発給を否認した鉄鋼製品の総額が6,800万ペソ(約1億4,280万円、1ペソ=約2.1円)に上ったとした。

フィリピンでは安価な低品質の鋼材を調達し、品質水準を満たしていると虚偽の申告をする国内の鉄鋼バイヤーが存在するとされ、BPSは2019年、鉄鋼製品のフィリピン国内での生産時の品質審査を厳格化すると発表した。BOCもまた、低品質鋼材の国内流入を防ぐため、輸入製品の通関後の事後調査を強化するとしていた。

(注)BPSがフィリピン国家規格を満たす製品を製造する企業に対して発行する製品規格の認定ライセンス。

(坂田和仁)

(フィリピン)

ビジネス短信 26059882832623db