中国電信系の通信事業者、7月までに第3キャリアとしてサービス開始

(フィリピン)

マニラ発

2020年02月21日

フィリピン情報通信省(DICT)のグレゴリオ・ホナサン長官は1月29日、国内第3の通信事業者として2019年7月に事業許可証を付与したディト・テレコミュニティー(注)が7月までにサービス提供を開始すると発表した。1月30日付の「フィリピンスター」など地元各紙が報じた。

DICTとディト・テレコミュニティーは2019年7月、事業許可証が付与され次第、同社は通信インフラ整備を開始し、同年11月にもマニラ首都圏やセブ市、ダバオ市といった人口過密地域から順次、サービスを開始すると発表していたが、当初の計画よりも遅れることになる。

ホナサン長官は、ディト・テレコミュニティーは国内の既存の2社(グローブ、PLDT)よりも安価かつ質の高いサービスを提供するだろうとし、2社による寡占が続いていたフィリピンの通信市場で、ディト・テレコミュニティーが新たに登場することで競争が起こり、通信費用や通信環境の改善が期待できるとしている。

ディト・テレコミュニティーは、サービス開始から1年以内にフィリピンの人口の37%をカバーし、毎秒27メガビット以上の平均通信速度を達成することを求められている。また、5年以内に84%の人口カバー率と毎秒55メガビット以上の平均通信速度、2,570億ペソ(約5,654億円、1ペソ=約2.2円)以上投資することを求められている。

(注)中国電信が40%、ダバオ市出身の実業家デニス・ウイ氏が率いるウデンナ・コーポレーションが35%、傘下のチェルシー・ロジスティックスが25%を保有する合弁企業。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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