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アンズコフーズ、EPA活用で和牛の価格競争力を強化

(ベルギー、EU)

ブリュッセル発

2020年02月14日

アンズコフーズは、伊藤ハムグループ傘下で、ベルギーを拠点とする欧州側輸入事業者として、2014年からベルギーで輸入した鹿児島県産「伊藤和牛」を、フランスや英国、デンマーク、スペイン、スイス、イタリア、ベルギー、ノルウェーなどで販売している。日本産和牛ならではの霜降りやおいしさで、日本の和牛の血統を引きながらも日本以外(オーストラリア、米国、チリなど)で飼育・生産された「WAGYU」と差別化し、キャビアやフォアグラのような高級嗜好(しこう)品市場を開拓している。

日EU・EPA発効後、売上高が1.4倍に

同社に2019年2月1日に発効した日・EU経済連携協定(EPA)の影響を聞いた(インタビューは2019年12月17日)ところ、EPA発効後の2019年2~10月の同社の売上高は、特にフランスの高級レストラン向けの出荷が伸び、前年同期比で1.4倍ほどになったという。EPA発効後には、日本産和牛を1キロ当たり約10ユーロほど安く提供できるようになり、日本以外で生産された「WAGYU」との価格差がEPA発効前の30%ほどから10~20%まで縮まり、価格競争力が向上したという。

同社の欧州市場での販売は、基本的にベルギー拠点で輸入した牛肉を各国へ出荷している。統計でみても、EPA発効以降、日本からのベルギーへの和牛の輸入は拡大している(表参照)。

表 ベルギーの日本産和牛の輸入額推移(2019年)

拡大する欧州の和牛市場

欧州では、日本産和牛の販売が拡大している一方で、「WAGYU」の販売も拡大している。同社はこの点について、欧州の和牛市場はまだ拡大する可能性があることの裏付けとして前向きに捉え、EPA発効後3年ほどで売り上げを2倍にする目標を掲げている。また、和牛の輸出が解禁された2014年時点では、欧州では和牛に対して日本国内の特定地域の銘柄をイメージする見方が強かったものの、さまざまなプロモーション活動の結果、同社によれば、EPA発効前から和牛の輸入量が拡大傾向にあったことから、「日本産和牛」全体の認知度が高まってきたと実感している、という。また、もともと赤身志向や「肉の脂肪分=健康に悪い」というイメージの強い欧州市場だが、同社が日本産和牛の霜降りのおいしさを地道に説明してきた結果、英国やフランス、北欧などの、特に所得水準の高い国を中心に、高級スーパーマーケットや専門店、外食産業で、「和牛」を受け入れる土壌ができ上がりつつある。

今後の課題として、EUではステーキとしての和牛肉の消費が圧倒的に多いため、EUに輸出される和牛肉は「ロース系」に偏っている一方で、日本の生産者にはサーロインなどの高級部位だけでなく、モモ・肩ロース・バラなどの安価部位の輸出も促進したい狙いがある。欧州の需要を踏まえたプロモーション活動も行っていく必要があるという。

写真 アンズコフーズが販売する伊藤和牛(伊藤ハム提供)

アンズコフーズが販売する伊藤和牛(伊藤ハム提供)

(大中登紀子)

(ベルギー、EU)

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