2019年の米国人口増加率は0.48%増、4年連続で伸びが鈍化

(米国)

ニューヨーク発

2020年01月22日

米国商務省センサス局は、2019年の人口推計(7月1日時点)を発表(12月30日)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。前年比0.48%増(155万2,022人増)の3億2,823万9,523人となった(図1参照)。2010年(3億874万5,538人)と比較すると、6.3%増(1,949万3,985人増)となり、2010年からの増加率は年平均0.66%だった。一方で、過去と比べると伸びは鈍化しており、2015年(前年比0.73%増)の後は4年連続で増加率が低下している。

図1 人口数と人口増加率の推移

2018年から2019年にかけての増加要因をみると、出生者数から死亡者数を差し引いた「自然増加」が95万6,674人(前年差4万3,465人減、前年比4.3%減)だった一方で、国内外との人の移動である「国際移住」が59万5,348人(10万6,475人減、15.2%減)となった(図2参照)。商務省のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、自然増について、出生数が減少(3万2,809人減、0.9%減)する一方で、死亡者数が増加(1万656人増、0.4%増)する傾向が続いており、これにより少なくとも過去40年間で初めて、100万人を下回ったとされる。国際移住についても、直近のピークである2016年(104万6,709人)の後は3年連続で減少している。ブルッキングス研究所の大都市圏政策プログラムのシニア・フェローであるウィリアム・H・フレイ氏は、ここ数年の国際移住の減少について「最近の連邦政府による(移民受け入れの)制限が、外国生まれの非米国人の減少につながった可能性がある」とした。一方で、自然増の低迷については「今後も続く可能性がある」と指摘した。

図2 人口増加の内訳(自然増加と国際移住)

国内移住の増加が南部の人口を押し上げ

地域別の人口をみると、南部の1億2,558万人(全人口に占める割合38.3%、前年比0.8%増)が最も多く、次いで西部の7,835万人(23.9%、0.7%増)、中西部の6,833万人(20.8%、0.1%増)、北東部の5,598万人(17.1%、0.1%減)となった。2018年から2019年にかけての伸びは南部が最も高く、国内他地域からの転出入である「国内移住」(40万7,913人増)が最も押し上げに寄与した。一方で、北東部は「国内移住」の減少(29万4,331人減)を背景として、2年連続の減少となった。

州別にみると、カリフォルニア州(3,951万2,223人)、テキサス州(2,899万5,881人)、フロリダ州(2,147万7,737人)の順に多く、これら3州で全人口の4分の1以上(27.4%)、上位10州で人口の半分以上(54.1%)を占めた(表参照)。2018年から2019年にかけての変化をみると、40州で増加〔テキサス州(1.28%増)、フロリダ州(1.10%増)、アリゾナ州(1.69%増)など〕し、10州で減少〔ニューヨーク州(0.39%減)、イリノイ州(0.40%減)、ウェストバージニア州(0.67%減)など〕した。

表 州別の人口数(上位10州)

(権田直)

(米国)

ビジネス短信 ec88e7f0e0abefcc