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グランドルネッサンスダム、エチオピアなど関係3カ国の最終合意ならず

(エチオピア、エジプト、スーダン、米国)

アディスアベバ発

2020年01月23日

エチオピアがナイル川源流で建設中のグランドルネッサンスダムをめぐり、エジプト、スーダン、エチオピアの関係3カ国が1月13~15日に米国ワシントンで協議した。1月15日がダムの貯水と運用方法の合意期限とされていたが(2019年11月15日記事参照)、3カ国と米国および世界銀行が発表した共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、包括的な最終合意には至らず、再度、ワシントンで1月28日から2日間の日程で開催する協議に持ち越された。

共同声明では、最終合意に向けて以下の点に留意するとした。(1)ダムの貯水は段階的に実施し、水源であるブルーナイル川の水理(水脈)と下流域の貯水への影響に配慮する。(2)ダムへの貯水は雨季である7~8月に行い、状況をみて9月も実施する。(3)当初の貯水は海抜595メートルの水位としてエチオピアの早期発電を可能にする一方、エジプトとスーダンがこの間に干ばつ被害に見舞われた場合には適切な緩和策を提供する。(4)初期に続く貯水は水理、目標貯水量とその時点の水準、発電状況、エジプトとスーダンへの干ばつ時の緩和策に基づき、今後合意する放水量決定の仕組みによる。(5)ダムの長期的な運用についても上記(4)同様。(6)効果的な調整と紛争解決の枠組みを設置する。

関係3カ国は2019年11月以降、各国相互に担当相が訪問して技術会合を4回開催してきた。これまでの協議で明らかになっている争点は、ダムへの貯水、水管理、電力開発、情報管理の方法だ。放水量やダムの水位、貯水期間など具体的な数字にかかる点で意見は不一致のままで、2020年1月8、9日にエチオピアの首都アディスアベバで開催した会合でも具体的な合意はできなかった。

スーダンの首都ハルツームで2019年12月21、22日に開催された会合後の報道からも、エチオピアは放水量についていかなる条件も受け付けない姿勢を崩さず、エジプトの主張する年間最低放水量40億立方メートルを拒否したとされる(注)。他方、タービン2基を用いた一部発電の開始後に、放水量について再考する可能性も報じられた(「エチオピア・ヘラルド」紙2019年12月25日)。今回の共同声明は包括的な最終合意には至らなかったものの、各国それぞれの主張への配慮があり、関係国間の歩み寄りがみてとれる。

グランドルネッサンスダムの工事進捗率は、建設が85%、機電関係が29%(工事請負企業への支払い額を基準に算出されたもの)。完工予定は2022年末から2023年にかけてという(「エチオピア・ヘラルド」紙1月3日)

(注)エチオピアが年間35億立方メートルの放水量を提案したとの報道もあった(「デイリー・モニター」紙2019年12月25日)。

(関隆夫)

(エチオピア、エジプト、スーダン、米国)

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