2019年1~10月の海外直接投資の純流入が33%減、税制優遇制度の行方を懸念

(フィリピン)

マニラ発

2020年01月24日

フィリピン中央銀行(BSP)は1月10日、2019年10月の海外直接投資(FDI)の純流入額が前年同月比33.7%増の6億7,180万ドル、1~10月のFDI純流入額の合計は前年同期比32.8%減の57億9,022万ドルとなったと発表した。

1~10月のFDI純流入額の内訳は、全体の26.2%を占める株式・投資ファンド持ち分が15億1,530万ドルで前年同月比44.5%減、73.8%を占める負債性資本が42億7,492万ドルで27.3%減といずれも大きく減少した。株式・投資ファンド持ち分の内訳は、株式資本純流入額が6億9,018万ドル(65.4%減)、収益の再投資が8億2,512万ドル(12.5%増)となった(添付資料表参照)。

BSPのベンジャミン・ディオクノ総裁は1~10月のFDI純流入が大幅に減少した理由について、フィリピン経済特区庁(PEZA)などの経済特区の税制優遇制度(注)の抜本的見直しを規定するCITIRA法案(2019年10月2日付地域・分析レポート参照)の国会での審議状況を投資家が見守っているためとした。また、長引く世界経済の停滞により投資家心理が冷え込んでおり、フィリピンに対する投資計画を延期させているとした上で、米中両政府が1月15日に貿易交渉をめぐる第1段階の合意文書に署名したことで、投資家心理は改善されるのではないかとみている。

(注)PEZAに入居する製造業の場合、(1)法人所得税の3~6年間の免除(ITH)、(2)ITH終了後は売上総利益の5%を法人所得税とする特別所得税率の適用、(3)関税、埠頭(ふとう)税、輸出税の免除、(4)税関手続きの簡略化などが適用されている。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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